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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

コラム-067:Rest of Us 02 — 胸部誘導のなだらかな波形変化について

=これは、以前掲載したつもりだった 【コラム Rest of Us 02】です。ブログを見返すとなぜか見当たりません(-_-;*)。二度目かもしれませんが、Upしました。=


   Rest of Usは、ああ、こういう事だったのか、心電図は!と、思っていただけたら、最高と云う、心電図-再入門のためのシリーズ。

これは、マッキントッシュ・コンピューターが世に出たときの売り文句でした。  ** Macintosh, the computer for the rest of us **

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 胸部誘導は、なだらかな変化を示します。

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それを、ちょっと解説すると、こうなります。

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*  ゆるやか(アンダンテ)に、R波は高くなって、V5で最大値となる。

*  V6で、ちょっとだけ低くなる。

*  もう一つの見方として、R/S比は、少しづつ大きくなります。

 ベクトル的にみると、こうなります。

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  V5でR波が一番高いのは、胸壁と心臓の距離が近いことが理由です。さらに、左室の総合ベクトルが最も大きくなりやすい部位だからです。

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 この流れが乱れている時、心疾患がある(かもしれない)。

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【Poor P Wave Progression:PRWP】

 RV1 ≦ RV2 ≦  RV3 ≦ 3.0mm  (明瞭な定義は、ホントは、ありません)

前壁の虚血かもしれません。(弱い相関関係です)

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【Reversed P Wave Progression:RRWP】

 なだらかに増加するはずのR波高が、減少するのは、あり得ないことです。(電極張り間違いを除く!)

 前下行枝部分の虚血を示唆します。(相関関係は、けっこう高い)

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==今回の教訓==

 なだらかで美しい胸部誘導のQRS波形の(正常な)移り変わりのイメージを、visualに焼き付けて下さい、あなたのeye-ballに。

 それからずれたイメージは、何か訳ありかもしれません。原因を探って下さい。

 但し、つまんない理由でも、これはあり得ることに、要注意です。

*  心臓がよっこらしょっと、横になる(横位心)でも、心回転が起こります。

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