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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

コラム094:12誘導心電図での校正波(1/2,1/4表示について)

 高電位の6誘導づつの波高表示は、R/S波の重なりで、見にくいことが多いんです。

 心電図用紙に印字する場合、R/S波が高すぎると重なって、訳わかんなくなる事があります。

 心電計くんは、(わかりやすい様に、1/2電位にしてあげますね)と、勝手に1.0mV=5.0mmと、電位(上下を)半分にして印字します。

 ちゃんと、校正波形を、添えてくれるんですけどね。

 電子カルテの(心電図viewer)くんは、このような配慮をしません。


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クリックすると、ECGが拡大します。

 

 心電図viewerは、クリックひとつで電位表示を変更できます。

 1.0mV = 5.0mmでの表示

 (左端の、校正波に注意)

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クリックすると、ECGが拡大します。


 これでも、胸部誘導ではR波がまだ重なっています。

 1.0mV = 2.5mmでの表示

 (左端の、校正波に注意)

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クリックすると、ECGが拡大します。

 ようやくR波の重なりが無くなりました。

では、校正波形の違いを、比較してみましょう。

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クリックすると、ECGが拡大します。



 この時に、もっとも留意すべきは、ST-T変化です。

 STの上昇も低下も、電位表示を圧縮すると、マイルドになってしまいますね。肥大心でも、虚血発作でも、甘く見てしまいます。

 これは、直感的に診断する際に、けっこう危険です。上下方向に 2倍 or 4倍 に、脳内で拡大すればよいのですけど、そんなに上手くいきません。

 R波の重なりを外すのは、6誘導表示 → 3 or 2 誘導表示への変換が有効です。

 R波が高すぎると分かれば、心電計くんに、波高を測定してもらえば良いだけです。


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クリックすると、ECGが拡大します。


 ST-T変化は、必ず1.0mV=10mmの通常状態で判定しましょう。

 校正波 (キャリブレーション)

【 心電図診断は、必ず通常の記録状態で行いましょう 】 

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