高電位の6誘導づつの波高表示は、R/S波の重なりで、見にくいことが多いんです。
心電図用紙に印字する場合、R/S波が高すぎると重なって、訳わかんなくなる事があります。
心電計くんは、(わかりやすい様に、1/2電位にしてあげますね)と、勝手に1.0mV=5.0mmと、電位(上下を)半分にして印字します。
ちゃんと、校正波形を、添えてくれるんですけどね。
電子カルテの(心電図viewer)くんは、このような配慮をしません。
クリックすると、ECGが拡大します。
心電図viewerは、クリックひとつで電位表示を変更できます。
1.0mV = 5.0mmでの表示
(左端の、校正波に注意)
クリックすると、ECGが拡大します。
これでも、胸部誘導ではR波がまだ重なっています。
1.0mV = 2.5mmでの表示
(左端の、校正波に注意)
クリックすると、ECGが拡大します。
ようやくR波の重なりが無くなりました。
では、校正波形の違いを、比較してみましょう。
クリックすると、ECGが拡大します。
この時に、もっとも留意すべきは、ST-T変化です。
STの上昇も低下も、電位表示を圧縮すると、マイルドになってしまいますね。肥大心でも、虚血発作でも、甘く見てしまいます。
これは、直感的に診断する際に、けっこう危険です。上下方向に 2倍 or 4倍 に、脳内で拡大すればよいのですけど、そんなに上手くいきません。
R波の重なりを外すのは、6誘導表示 → 3 or 2 誘導表示への変換が有効です。
R波が高すぎると分かれば、心電計くんに、波高を測定してもらえば良いだけです。
クリックすると、ECGが拡大します。
ST-T変化は、必ず1.0mV=10mmの通常状態で判定しましょう。
校正波 (キャリブレーション)
【 心電図診断は、必ず通常の記録状態で行いましょう 】