まず、ECG-042の症例を、再度紹介します。RCA-ACSでした。
下後壁梗塞の症例の経時的心電図変化です。。
クリックすると、ECGが拡大します。
II, III, aVFのST上昇とaVLでのST低下は、下壁梗塞のお約束です。
V1-3でST低下とT波陰転化が、経時的にtall-Tに変化しています。V2,3のR波は増高しており、後壁のQ波も想像させます。
前壁誘導で、後壁誘導のST-T変化を起こす=ミラーイメージの説明図です。自著より、引用します。
上記の知識を持って、今回の症例を考えて診ます。
陳旧性の心筋梗塞患者さんです。
II,III,aVFでは、Q波とT波陰転を認めます。
(これだけ揃うと、下壁の心筋梗塞はほぼ確定です。)
もうひとつ気になるのは、V1.2でのtall-T波です。
後壁の陰性T波のミラーイメージと考えると、理解しやすいです。
(そうでなければ、HCMによる変化を想定します、私は。)
後壁の誘導まで、記録してみました。
う~ん、悩みました。
V1.2でのtall-T波です。
V7,8,9の誘導を見ると、深い冠性T波がありません。ミラーイメージで説明出来ませんね(-_-;*)。なお、高K血症はありません。
心エコーでは、下後壁の壁運動低下あり、特に後壁には心室瘤を形成しています。(でも、とてもお元気です)
以下に動画を提示します。
【 表面的な心電図理論と合わない心電図波形もある 】
*左室長軸断層01
*左室長軸断層02
*4C