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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-326:answer 

 

 60才代男性の電撃性肺水腫・ショックの患者さんでした。すでに心筋酵素も上昇しており、ACS間違い無しです。

 

 ERの心電図は、基線がけっこうぶれてますが、なんせ心不全でゼコゼコなので、生理機能技師もこれが目一杯でした。

 読める部分を探しましょう。

 

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クリックすると、心電図が拡大します

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クリックすると、心電図が拡大します

 

 判定に残した部分も、基線完全安定でもないですが、贅沢は云ってられません。II, III, aVF, V456でのST低下を示します。

 V1-3はQS patternと云えます。

 aVRのST上昇もあります。

 

 これに、電撃性肺水腫・ショック状態を組み合わせると、ACSとしてLMT病変か、三枝病変しかありません。

 

 ここでちょっと気になったのが、P波はどこにあるのか??でした。イマイチはっきりしません、P波が。。

 もしかしてPSVTによるST-T変化か・・。ちょっと気になりました。PSVTで電撃性肺水腫出現は、無理がありますけど。

 

 挿管した状態での緊急CAGとなりました。

 この時のカテ室心電図です。

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クリックすると、心電図が拡大します

 

 

 P波がイマイチですが、波形は同じです。PSVTによるST低下ではないですね。

 

 CAGの結果を示します。

 

CAG LCA(CAU-30°)

[http://:title]

 

CAG LCA(LAO3° CRA37°)

[http://:title]

 

CAG LCA(LAO33° CRA33°)

[http://:title]

 

 

CAG LCA(RAO33°)

[http://src="https://www.youtube.com/embed/DcXJP1nl350" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen>:title]

 

CAG LCA(RAO30° CAU30°)

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CAG RCA(RAO33° )

[http://:title]

 

CAG RCA(LAO48° )

[http://:title]

 

 

詳しい説明は省略しますが、三枝病変でした。

緊急のCABGまたは、ロータブレターの必要性を考慮し、心臓外科を持つ施設への転院となりました。IABP装着状態での搬送です。

 

 aVRでのST上昇は、何でも無いのに見ることもあります。LMT病変症例でも、そんなに際だった上昇とは限りません。

 とってもヤバそうなACSっぽい病態で、aVRの上昇は危機的状況を想起させます。