60才代男性の電撃性肺水腫・ショックの患者さんでした。すでに心筋酵素も上昇しており、ACS間違い無しです。
ERの心電図は、基線がけっこうぶれてますが、なんせ心不全でゼコゼコなので、生理機能技師もこれが目一杯でした。
読める部分を探しましょう。
判定に残した部分も、基線完全安定でもないですが、贅沢は云ってられません。II, III, aVF, V456でのST低下を示します。
V1-3はQS patternと云えます。
aVRのST上昇もあります。
これに、電撃性肺水腫・ショック状態を組み合わせると、ACSとしてLMT病変か、三枝病変しかありません。
ここでちょっと気になったのが、P波はどこにあるのか??でした。イマイチはっきりしません、P波が。。
もしかしてPSVTによるST-T変化か・・。ちょっと気になりました。PSVTで電撃性肺水腫出現は、無理がありますけど。
挿管した状態での緊急CAGとなりました。
この時のカテ室心電図です。
P波がイマイチですが、波形は同じです。PSVTによるST低下ではないですね。
CAGの結果を示します。
CAG LCA(CAU-30°)
[http://:title]
CAG LCA(LAO3° CRA37°)
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CAG LCA(LAO33° CRA33°)
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CAG LCA(RAO33°)
[http://src="https://www.youtube.com/embed/DcXJP1nl350" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen>:title]
CAG LCA(RAO30° CAU30°)
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CAG RCA(RAO33° )
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CAG RCA(LAO48° )
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詳しい説明は省略しますが、三枝病変でした。
緊急のCABGまたは、ロータブレターの必要性を考慮し、心臓外科を持つ施設への転院となりました。IABP装着状態での搬送です。
aVRでのST上昇は、何でも無いのに見ることもあります。LMT病変症例でも、そんなに際だった上昇とは限りません。
とってもヤバそうなACSっぽい病態で、aVRの上昇は危機的状況を想起させます。