公式問題集&ガイドでは、
(不定軸)と、選択枝に書かれています。不整脈学会的呼び名でしょう。
(S1S2S3パターン)・(北西軸)も同じ事を云っています。
=S1S2S3パターン(不定軸):知っているけど、典型例をあんまり見たことないの方へ=
当院は、年間16,000~18,000枚の心電図を撮ります。(同じ患者での再記録を含む)
この7年間で、S1S2S3パターンと心電計君が判断したのは393枚でした。(左右電極付け間違いらしいのを含む)
脚ブロックのないきれいなS1S2S3パターンは、僅かに数枚でした。あんまり見たことが無くても、当たり前なんですね。
=case-A=(健常人での例)
*検診での心電図と胸部レントゲンです。
*心エコーを含めて、基礎疾患のない患者さんです。
*生活習慣病もありません。
- ◎I, II, III誘導全てで、 r<Sとなっています。
◎S1S2S3パターン(不定軸)の典型例です。
◎胸部レントゲンで分かるように、ちょっと肥満気味(肺野外側の皮下脂肪を見ます)。心臓が、ゴロリと後方回転しているかも。
◎S1S2S3パターン(不定軸)では、時計軸回転(胸部誘導で見る)の合併の合併が多いのです。
=case-B=
この程度の心電図は、よくありますね。
◎心電計君の診断は -84°です。
◎I誘導は、R≒Sですね。
◎胸部誘導は、ほぼR=Sパターンです。
佐野内科ハートクリニックさんのwebsiteで、【コラム-51:S1S2S3パターンを考えます】の心電図を引用して頂きました。
http://heart-clinic.jp/心電図所見/#S1S2S3
丁寧な解説です。
上記の心電図も、(広義のS1S2S3パターン)に入るのでしょう。
=case-C=
重度の気管支喘息の患者さんです。
◎電気軸は、-96°です。
◎V5,6と急速に電位が低くなるのは、肺内のエアトラップの影響でしょう。
◎肺疾患で右心負荷のある場合に、出現しやすいんです。
◎でも、S1S2S3パターン(=不定軸)は出現頻度低く、正常心でも出現するので、当てになりません。
◎出題される場合は、あくまで波形問題として、でしょう。
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佐々木達哉先生との共著が、2019/1/23に発刊されました。
医事新報社からです。
循環器版の(思考のレッスン)です。
村川裕二先生から、素敵な(推薦の辞)を頂きました。
まずは、立ち読みして下さい。私が援護射撃した佐々木ワールドが満開です。
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