心電計君の自動検索で一番多かったS1S2S3パターン(=不定軸)は、CRBBB+S1S2S3パターンでした。
=case-D=
◎ 心電計君の診断は 電気軸 -105°です。時に判断出来なくなります。
◎ -90°まではCRBBBの存在で説明出来ます。
- ◎ 鑑別は、肺高血圧症・急性右心負担(ex.肺塞栓など)
- ◎ この症例は、heavy-smokerです。
- ◎ 横隔膜が下がっており、心臓は立位心となっています。
- ◎ いろいろ考えるより、心エコーに相談しましょう。
- ◎ 移行帯の時計軸回転があります。
S1S2S3パターン(=不定軸)をもつ心疾患・肺疾患は、現実あり得るでしょうが、心電図だけで鑑別するのは、やっぱり無理筋です。
臨床的鑑別は、まず心エコーに頼りましょう。
S1S2S3パターン(=不定軸)で、CRBBB+S1S2S3パターンです。
=case-E=
- ◎ I, II, III誘導全てで、 r<Sとなっています。
- ◎ 当然ながら、aVFでもr<Sとなります。言うも更なり。
- ◎ この方も、横隔膜が下がって縦長の肺です。Drop heart.
- ◎ 心疾患ありません。特に肺疾患もありません。
- ◎ 移行帯の時計軸回転があります。
右軸偏位で時計軸回転だと、右心負荷(ex.ASD,肺塞栓)を疑いますが、心エコーで異常なしです。
まあ、右軸偏位と左軸偏位が同居していることになるので、電気軸は分かんない(・_・?)が、正解です。不定軸です。
最後に、正常心で脚ブロックのないS1S2S3パターン(=不定軸)の症例です。
=case-F=
解説は、同じです。
他の検査で、心疾患は認めません。胸部レントゲンもキレイですね。この軸偏位のみでは、深く考えても仕方ないんです。
S1S2S3パターン(=不定軸)が選択枝に出たら、CRBBB以外に問題がなければ、正解の可能性があります。
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