さて、復習です。
*【流出路起源のVT(LBBB型+下降軸) パターン。】
I誘導の形に惑わされずに、そう覚えましょう。
(起源が、右室流出路か・左室流出路か・バルサルバ洞レベルかは、アブレーターの判断に任せましょう。)
*【ベラパミル感受性VT(RBBB型+上方軸) パターン。】
VT判定の決め技は、心室補足と房室解離の存在です。
↑は、VT中に房室伝導が繋がって、narrow QRSとなっています。心室補足(capture beat)です。VTが確実となる所見です。
VT波形と融合する場合もあります(fusion beat)。
さらに、どのテキストにも必ず出てくるVT時の房室解離。
VTレート>Pレートを確認する(=房室解離)と、診断上は決定的です。
でも、これなかなか分かりません。自信が持てないんですよね。まして、実物大(1.0mV=10mm,0.04sec.=1.0mm)でない、小さな心電図ではさらに分からない(・_・?)。わたしは老眼だし。。
超典型例じゃないと、お手上げです。
なんでこれが読み取れないの??と云う出題者が居るかもしれません。意地悪ですね(>_<)。
胸部誘導全てがR波のみで構成される場合は、Positive concordanceと呼ばれ、心基部由来のVTとなります。
心尖部・下壁側が起源のVTの場合には、胸部誘導が全てQS波形で構成され、Negative concordanceと呼ばれます。
私の好きな(taller left rabbit ear) sign in V1。
CRBBBでは、V1でrsR`と、右室成分のR`の方が高くなります。右室誘導ですから。
そこで、R>R`となることはVT以外ではないでしょう?と云う理屈です。
但し、V1でR<R`のVTも沢山あるので、気を付けましょう。
北西軸は、VTである。
wide QRS tachycardiaで、電気軸が
I誘導が陰性 かつ aVFで陰性の場合です。aVRは、陽性R波となります。VT 以外で、こんな方向に電気軸は向きません。
オマケとなりますが、
*V6で、r<<<Sだと、VTを強く示唆します。
*V6でR=Sや、ほんのちょっとR<SだけではVTと決められない。
◎QRSの開始点(R波)から(S波)の最下点までが100sec.以上でVTを強く示唆します。
▽QRSの下行脚にnotchがあると、VTを示唆します。
🔷どんな形でも、V6がq波から始まれば、それはVTでしょう。
これらは、あくまで強い参考意見です。例外あるよ~。
試験を離れて、臨床的に覚えて欲しいのは、
*陳旧性心筋梗塞でのwide QRS tachycardiaは、VTとして扱う。
*Wide QRS tachycardiaは、VTでないと分かるまで、VTとして対応する。
です。よろしく!!
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