Q-04:60才代の男性。動悸です。
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もともと肥大型心筋症があり、肺がん術中にCPA・LAD-ACSとなった患者さんです。その三ヶ月後の敗血症状態での頻拍発作でした。
*wide QRS =0.157sec.
*上方軸(II,III,aVFで陰性QRS)
*RBBBパターン(胸部誘導)
*V6で、r<<<Sパターン
VTと考えるのが、妥当だと思います。
私には、(この症例での)房室解離は見えません。断定的にいえる症例はVTの1割もないそうです。自院で経験したら、大切に心電図を保存されて下さい。四つ葉のクローバーみたいなもんですから。
Q-05:60才代の男性。動悸です。
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non-sustained VTでした。
*下方軸です。(II,III,aVFのQRS波形が陽性)
*LBBBパターンです。
*洞調律時と明らかに波形が違います。
*R on Tで始まっています。
non-sustained VT:心室拍数100 ~ 120/ 分以上の心室期外収縮の 3 連発以上または 30 秒以上連続しない心室期外収縮の連発のことです.
とはいえ、幅広い守備範囲なので、3~5連発のVTはshort runと便宜的に云われます。だったら、6連発はnon-sustained VTと云わないとダメか・・とまで考え込まないで下さい。
*この症例で、房室解離があるような、ないような。。
*PP間隔の反復で、VT内のP波を見出すのですが、なかなか自信が持てません。これがあるとVTの確定診断と云われるのですが。
*このようなデリケートな診断は、
小さな心電図ではできない!ハズキルーペは試験会場の持ち込めるのか!?
以下は、#心電図検定試験から逸脱すると思いますが。。
*残る鑑別は、
1.)PSVTで著明な変更伝導を伴う症例
2.)短いPafで、著明な変行伝導を伴っている症例
になるはずです。
1.) P`からの頻拍開始では無く、考えにくい。
2.)VTもリエントリー開始読後は、RR間隔やや揺らぎます。でも、Pafの完全否定は難しいですね。
Q-06:2枚の頻脈時の心電図です。
正しい回答を一つ選択せよ。
A.) 流出路起源心室性頻拍
B.) 偽性心室頻拍
C.) 1:1伝導性心房粗動
D.) Torsades de Pointes
E.) 洞性頻脈
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VTの典型例です。wide QRS tachycardiaで、
*下方軸を示す。II,III,aVFでwideで高いR波です。
*LBBBパターンです。
流出路起源の心室頻拍です。
(OT-VT : outflow tract ventricular tachycardia)
ここまでは、どの本にの書いてある内容です。
とにかく、下方軸+LBBBパターンは、流出路起源心室頻拍です。覚えてしまいましょう。
この心電図の出典は、LIFE IN THE FASTLANEです。
https://litfl.com/right-ventricular-outflow-tract-rvot-tachycardia/
私が混乱していたのは、I誘導の電気軸の問題です。
なんで、上向いたり・下向いたりするのか??
右室流出路だけでも、前壁側・中隔側と起源がいくつかあります。
これに、左室流出路起源・大動脈弁冠尖起源・心外膜側起源まであります。
まとめて、12誘導心電図上はOT-VTです。
じゃあI誘導において、右室起源が陽性波・左室起源が陰性波と云えるのか?残念ながら、特異度が低いようです。
右室流出路起源のVTでも、I誘導のQRSは、陽性だったり陰性だったりします。
鑑別の方法はあるようですが、感度/特異度低すぎます。私は、とっても覚えられません。。
OT-VTの起源の鑑別は、アブレーターの先生方にお任せしましょう。
流出路起源のVTは、こう覚えて下さい。
wide QRS tachycardiaは、
*下方軸+LBBBパターンは、流出路起源心室頻拍です。
*I誘導のQRSの電気軸は、あんまり気にしない。
これで、心電図検定試験は大丈夫なハズです。
(試験から外れるTips)
胸部誘導でのPositive Concordanceを示すVTは、僧帽弁輪部(後壁側)由来のようです。BMJより。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1122646/
選択枝の解説です。
A.) 流出路起源心室性頻拍 でした。
→説明は上記の如し。
B.) 偽性心室頻拍 ではない。
→WPW症候群における心房細動発作時の波形です。
*心房細動なのでRRは絶対性不整
*ケント束の伝導比率の違いで、QRS波形が心拍毎に異なる。
*この二点に気が付けば、大丈夫です。
C.) 1:1伝導性心房粗動 ではない。
→1:1ならば、心拍数は250~300bpmとなります。
*実例はこちらです。
D.) Torsades de Pointes ではない。
→これは、捻れVTなんです。
QT延長症候群とペアで覚えましょう。
ACSでも、見ることありますけど。(この症例は、ACSです)
E.) 洞性頻脈 ではない。
→P波見えない。(I度-房室ブロックで、先行するQRSにP波が隠れることはあります。)
→そもそも、変行伝導でもこのQRS波形は説明できません。
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