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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-391:answer

 80才代女性の、胸部不快感でのER受診です.

 

初見で、ぱっと気づかないと、なかなか分からないもんです.

 

【 胸痛で、よくわかんない(・_・?)心電図は、回旋枝の病変を疑う! 】

 

この経験則に従って、もう一度心電図を見てみましょう。

 

14分後の再検の心電図です。ST-T変化がチョット強くなっています。

 

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クリックすると、心電図が拡大します

 

 

 V5,6のST上昇は分かりますね。この部分しかST上昇がないのが、大切な気付きとなります。

 

その他は、その気になって見てみる

 

○V1でST低下がある。V1は右室前面誘導で、後壁のミラーイメージを示します。

○I誘導とaVL誘導でのST上昇。

 

胸部不快感の患者の12誘導心電図は、その気になって見てみるのがポイントですよ。

 

心エコーとの対比で、この所見の意味を理解しましょう。 

 

 

 

 

(左室長軸断層像)

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いわゆる(後壁)の壁運動低下が分かります、よね?

 

 

(左室短軸像:検索レベル)

[http://:title]

 

左室短軸・検索レベル(base寄り)です。4-6-8時方向の収縮性が悪いのが分かります。但し、4時に近いと正常可動域に近く長軸で断層を作ると微妙になります。

 

 

(心尖部2腔像)

[http://:title]

 

短軸で見た6時方向になります。下後壁の壁運動がsevere hypo~noneであるのが分かります。

 

(後壁と云う用語を、あえて使っております)

 

 

緊急のPCIが施行されました。

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クリックすると拡大します

 

 

回旋枝(LCX)の#11の完全閉塞でした。

PCI(stent留置)で、完全血行再建に成功しております。

 

 

 

経時的心電図変化です。 

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クリックすると、心電図が拡大します

 

*V5のST上昇は消え、V6のT波陰転化しております。

*V1-3のT波が高い陽性波です。後壁の冠性T波のミラーイメージでしょう。

*I誘導とaVL誘導でのST上昇は無くなり、T波平定化しています。(ちょっと後半陰転化か)

*III誘導にちょっとQ波出現。梗塞巣に一番近い下壁誘導です。

 

この症例は、V6でST上昇が明瞭だったので、ちょっと慣れると見逃しません。でも、搬入時のV5程度のST上昇で、ACSと判断しないといけない症例が、よくあります。

 

頼みの綱は、心エコーです。

必ず、(parasternalの)長軸・短軸の両方で判断して下さい。

A2Cの画像が作れると最高です。これは、左室造影のRAO viewに相当します。(最近はLVGあんまりしないので、よくわかんないかも(・_・?)(・_・?))。 

 

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循環器版の(思考のレッスン)です。

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まずは、立ち読みして下さい。私が援護射撃した佐々木ワールドが満開です。

 

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