II度房室ブロックで、Wenckebach型房室ブロック(=Mobitz-I型)と、Mobitz-II型房室ブロックを学びましたね。
これをまず、ちゃんと理解して下さい。
https://heart2019ecg.hatenablog.com/entry/2020/04/16/173105
この概念は、洞結節でのブロックにもあるんです。
http://www.udatsu.vs1.jp/sa_block.htm
皆さんの洞房結節の脳内イメージは、こんな風ではありませんか?
現実には、けっこう大きいんです。
右房上端~SVCの接合部に、4cmくらに長さで存在します。
*洞房結節の活動電位は、0, 3, 4相のみです。
*Na急速流入はなく、Ca2+の緩徐流入で脱分極は始まります。プラトーはなくK+流出による再分極となります。
*静止膜電位のはずの4相は、Na緩徐流入による(拡張期脱分極)を起こすことで、域値に達します。
洞房ブロック:1度 (SA exit block / First-degree)
洞房結節内での伝導延長です。
12誘導心電図では、その存在は分かりません(・_・?)。見えません。
洞房ブロック:2度 (SA exit block /Second-degree)
*PP間隔が短くなって、P波が脱落するのがWenckebach型洞房ブロック。
*PP間隔が同じで、突然P波が脱落して、そのPP間隔は整数倍となるのが、Mobitz-II型房室ブロックです。
検定試験のためには、理屈抜きでコレを覚えて下さい # ゚Д゚)·;’.
そうは云っても、解説させて頂きます。
2度 I型:Wenckebach型洞房ブロック(Mobitz-I型)
*この理解を、しっかりとお願いしますね。
*洞房結節内の発火(活動電位)は、一定間隔で発生します。
*その洞房結節外(=心房筋)への伝達が、少しずつ遅れます。ここが、Wenckebach型と言われる理由です。
*その伸び率は、1拍目が一番長く、だんだん伸び率は減少します。
*そのために、PP間隔は漸次減少します。
解説ラダーグラムは、下記の様になります。
*洞房内での伝導遅延が伸びるのですが、これは12誘導心電図では見えません。
*その(洞房内遅延)は、最初が一番大きく(長く)、漸次少なくなって行きます。
*洞房内では、一定の間隔で興奮が起きます。
*そのために、PP間隔は次第に短縮していきます。
それを、説明したのが下図です。
お願い、理解して~!
=この理論を、別のラダーグラムで説明します=
*ラダーグラムを仮想します。 *洞房結節内の発火間隔を300とします。
*洞房結節内の伝導遅延を40→60→70→75→脱落とします。
*すると、下図のようにPP間隔が縮まっていきますね。 *僅かな変化。
2度 2型:Mobitz-II型洞房ブロック
これは、分かりやすいですね。
PP間隔が同じなのに、突然P波無くなります。
その脱落した部分のPP間隔は、その前のPP間隔の整数倍です。
なんで、こんな事が起きるんでしょうね?
3度 完全洞房ブロック
*洞房内で、伝導が連続してブロックされています。
*これは、洞停止と区別出来ないですね。
よって、問われるのは、2度洞房ブロックとなります。
心電図検定試験に準拠した命名では、
Wenckebach型2度洞房ブロック :ウェンケバッハ
Mobitz II型2度洞房ブロック :モービッツ
です。人名は英語表記なのでしょうね。
なお綴りは、Wenckebachでも、Wenchebachでも、良いらしいです。
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佐々木達哉先生との共著が、2020/1/23に発刊されました。
医事新報社からです。重版されました。
循環器版の(思考のレッスン)です。
村川裕二先生から、素敵な(推薦の辞)を頂きました。
まずは、立ち読みして下さい。私が援護射撃した佐々木ワールドが満開です。
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