質問箱より
(公式問題集&ガイド)と(実力心電図)への質問にお答えして
心電図onlyの質問箱を昨年から始めたところ、
上記の本への質問を沢山頂きました。
(公式問題集&ガイド)と(実力心電図)の解説:の解説をけっこう致しました。
今回、まとめてみました。
なお、設問・心電図・その解説を転載する事は、控えます。
ご自身の本で、確認してくださいね。
Q:実力心電図のALF(時計方向回転)が、どうしても反時計方向回転に見えます。
時計時計方向回転:CWR(Clockwise Rotation)
反時計方向回転:CCWR(Counter Clockwise Rotation)
コレ分かりますよね。
移行帯の偏位で使っている用語です。
問題は、(心臓の)どこから時計を見てるかです。
右心尖部より、三尖弁を通して、右房を見上げています。
一番多いのが、(CCWR:反時計方向)に右房内を旋回(reentry)する通常型(common)心房粗動の回路図です。
右房を、右室から三尖弁を通じて見ています。
三尖弁の周りを、心房粗動の回路はCCWRで回っています。
三尖弁輪径は、70~140mmくらい。
心筋の伝導速度は、0.5~1.0m/sec.
興奮の先端が不応期にぶつかって、リエントリーできません。
どっかで、遅くなって(slow zone)おかないと。。
それが、
解剖学的峡部(CTI : cavotricuspid isthmus)
TVとIVCの間です。
ぐるぐる・グルグル・ぐるぐる、です。
コレ分
ここでVT・PVCで学んだことを、ちょっと思い出して下さい。
下壁誘導では、
*興奮が心臓上部→下部へ流れると、下方軸(陽性波)
*興奮が心臓下部→上部へ流れると、上方軸(陰性波)
この原理を理解して、通常型心房粗動の心房興奮波形を見てみましょう。
は、(心臓の)どこから時計を見てるかです。
典型的な(通常型心房粗動)の12誘導心電図です。
2:1 と 4:1の伝導部分があり、粗動波(Flutter波)を確認するのに分かりやすいです。
【極論】
AFLは、これだけしっかりと覚えて理解すれば良いんです!
他のを(atypical)一緒に覚えようとすると、混乱します。(>_<)右心尖部より、三尖弁を通して、右房を見上げています。
のこぎり波(鋸歯状波)は、下壁誘導で認めます。
(下向き?)にこだわる前に、このギザギザと心房内旋回の位置を把握しましょう。
II誘導を代表例として扱います。
なお、通常型AFL(CCWR型)では、V1で陽性F波。V6で陰性F波となります。これ、覚えて損はありません。
QRSの開始点を結び合って、無理矢理基線を作ってみましょう。
黄色のベルトより下にはみ出した部分が、陰性のこぎり波です。
V1では、同時相が陽性F波となります。
詳しくは、私のモーメント
https://twitter.com/i/events/1345013198844436480
をご参照ください。