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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

コラム-110:質問箱より (公式問題集&ガイド/実力心電図)を解説する -AFLののこぎり波の陽性/陰性について

質問箱より

(公式問題集&ガイド)と(実力心電図)への質問にお答えして

 

心電図onlyの質問箱を昨年から始めたところ、

上記の本への質問を沢山頂きました。

 

(公式問題集&ガイド)と(実力心電図)の解説:の解説をけっこう致しました。

今回、まとめてみました。

 

なお、設問・心電図・その解説を転載する事は、控えます。

ご自身の本で、確認してくださいね。

 

 

 

Q:実力心電図のALF(時計方向回転)が、どうしても反時計方向回転に見えます。

 

時計時計方向回転:CWR(Clockwise Rotation)

反時計方向回転:CCWR(Counter Clockwise Rotation)

 

コレ分かりますよね。

移行帯の偏位で使っている用語です。

問題は、(心臓の)どこから時計を見てるかです。

 

右心尖部より、三尖弁を通して、右房を見上げています。 

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一番多いのが、(CCWR:反時計方向)に右房内を旋回(reentry)する通常型(common)心房粗動の回路図です。

 

右房を、右室から三尖弁を通じて見ています。

三尖弁の周りを、心房粗動の回路はCCWRで回っています。

 

三尖弁輪径は、70140mmくらい。

心筋の伝導速度は、0.51.0m/sec.

興奮の先端が不応期にぶつかって、リエントリーできません。

 

どっかで、遅くなって(slow zone)おかないと。。

それが、

解剖学的峡部(CTI : cavotricuspid isthmus)

TVIVCの間です。

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ぐるぐる・グルグル・ぐるぐる、です。

 

コレ分

 

 

ここでVTPVCで学んだことを、ちょっと思い出して下さい。

 

下壁誘導では、

*興奮が心臓上部→下部へ流れると、下方軸(陽性波)

*興奮が心臓下部→上部へ流れると、上方軸(陰性波)

 

この原理を理解して、通常型心房粗動の心房興奮波形を見てみましょう。

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 は、(心臓の)どこから時計を見てるかです。

 

典型的な(通常型心房粗動)12誘導心電図です。

2:1 4:1の伝導部分があり、粗動波(Flutter)を確認するのに分かりやすいです。

 

【極論】

AFLは、これだけしっかりと覚えて理解すれば良いんです!

他のを(atypical)一緒に覚えようとすると、混乱します。(>_<)右心尖部より、三尖弁を通して、右房を見上げています。 

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のこぎり波(鋸歯状波)は、下壁誘導で認めます。

 

(下向き?)にこだわる前に、このギザギザと心房内旋回の位置を把握しましょう。

 

II誘導を代表例として扱います。

 

なお、通常型AFL(CCWR)では、V1で陽性F波。V6で陰性F波となります。これ、覚えて損はありません。

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QRSの開始点を結び合って、無理矢理基線を作ってみましょう。

黄色のベルトより下にはみ出した部分が、陰性のこぎり波です。

V1では、同時相が陽性F波となります。

 

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詳しくは、私のモーメント

 

https://twitter.com/i/events/1345013198844436480

 

をご参照ください。