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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

【コラム-118】 LMT, LMT, LMT - ACS (その1)

ACS-LMTの心電図をまとめて見ておきましょう。

ド派手だったり地味だったり、いろいろなんですね。

 

*連続する2つ以上の誘導でSTの上昇を認める。

*対側誘導でのミラーイメージを認める。

 

これが、ACS診断:12誘導心電図での基準ですよね。

 

LMT病変とはLADとLCXがいっぺんに詰まった状況です。

お互いが牽制し合って、心電図変化が変な風になります。

 

LMT病変(ACS)で、aVRのST上昇を示す理由は、以下の如く説明されています。

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重要な注意点

 

胸部不快感+shock状態での搬入でACS-LMTを疑います。

心エコーで下壁以外動いていなかったら、ACS-LMTとして対応です。

心カテ室へ直行です。

aVRでのST上昇は大切な所見ですが、それだけでは決まらない。

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LMT-ACS:症例-A

(所見を30秒考えて下さい。shock状態です、ノンビリ出来ません!)

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aVRで、明らかなST上昇があります。

ミラーイメージとしての下壁誘導のST低下がハッキリとあります。

胸部尤度運変化は、イマイチですね。

これが、#心電図検定試験に出るような、典型的なACS-LMTの心電図です。

 

PCI前のcontrol-CAG像です。

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このような病変にPCIを挑めるのは、stentのおかげです。

(CABGに回すよりもPCIで決着を付けた方が、虚血時間の短縮となる施設がほとんだだと思います。心外にお願いする時は、IABP.PCPS,perfusion-catheterで時間稼ぎします。)

 

 

 

 

 

 

LMT-ACS:症例-B

(所見を30秒考えて下さい。shock状態です、ノンビリ出来ません!)

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三年前の心電図です。安定状況でした。

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3年前と今回(at ER shock condition)を一部比較してみます。

aVRでのST上昇が、(なんとなく)分かりますね。分かりますか💦

ショック状態であることを加味して、陽性所見と取りましょう!

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PCI前のCAG所見です。

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小さなRCAですね。右室壁しか栄養してません。

LMTには、atheromaが崩壊したとしか思えない強度狭窄像です。

(わ~!!診断カテで、LMTの柔らかいatheromaを突き破ったのか💦と一瞬冷えそうな瞬間です。もともと有ったからショックなので、慌てない。)

 

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この方は、kissing methodを含むPCI(stent留置)を施行しました。

 

 

 

 

LMT-ACS:症例-C

(所見を30秒考えて下さい。CPA搬入後でshock状態です、ノンビリ出来ません!)

蘇生したばかりで、不穏状態での記録です。

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心カテ室で、挿管/IABP/PCPSした状態での最初の心電図です。 

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 心カテ室でのpre-PCI 12誘導心電図を解説します。

鎮静して人工呼吸器管理なので、波形は安定しました。

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*aVRでの明らかなST上昇。

*下壁誘導でのST低下(ミラーイメージ)を示す。

◎QRS幅が拡がっており、心室内伝導障害を示唆する。

*V3,4は、付け間違えでしょうね💦

 

https://med.toaeiyo.co.jp/contents/cardio-terms/disease/3-59.html

 

*LMTでの重度の狭窄病変を示しています。

RCAが殆ど機能していません。

*LADとLCxで頑張っているのに、LMTがピンチでは、ショックになりますよね💦

 

3例のACS-LMTを、提示しました。

ここまでの学びは、

 

*aVRでST上昇を示す。でも、症例事に程度は違う。

*下壁誘導では、ST低下を示しやすい。でも、なんか色々みたい。。

*QRS幅が拡がっていることあり、かなりピンチ!

 

胸部誘導や側壁誘導のST-T変化は、varietion有るのかな?

 

=その2に続きます=

 

 

 

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まだまだ、購入して頂いております!感謝です(>_<) 2021/7/4 

 

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