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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

【コラム-132:心電図検定試験-2A合格から1B合格までシリーズ001:心房細動(その4)-AFのいろんな波形 No.2】

 

2023/1/14までに、一人じゃ勉強できないよ~!! 

新シリーズです。

2級合格を目標として、いろんな波形を学び直し、その後に1級受験へ誘うコラムです。

 

それでは、一度は見ておきたいAfib.波形 No.2です!

 

 

 

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心房細動の心電図を見ていて、P波じゃないの?って思える波形が出てきて、悩むことがあります。

SVPC多発(MAT)との鑑別も出てきます💦

 

 

 

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心房内の多発する不規則な興奮が合成されて、たまたまP波様に見えることがあるんです。

summated atrial activity” と考えるには、

*P’様の波形はそれぞれ形が異なり、規則性を認めない。

*P’として、P’R間隔に一定性がない。(=P’と認定できない、F波である!!)

*考えすぎてもいけないし、甘く見てもいけない。

 

 

 

 

 

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Ashman現象を理解しましょう。

 

先行するRR間隔が長い(Long RR)と、心室の不応期が延長されます。

そこで短いRR間隔(Short RR)だと、脚ブロック波形(Aberaant beat)になりやすい。

これを、Ashman現象と呼びます。

 

https://sindenzu.com/ashman/

 

 

 

 

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をご覧下さい。

Ashman現象として、(short RR)でのRBBB patternが出現しています。

心房細動時とは限らないのですが、Holter-ECG解析時に知らないと、PVC多発ですと答えを返してしまいます。

 

 

 

 

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肺静脈からのfirigです。心房内に出た連発する興奮が、どんどん形を崩していきます。

発作性心房細動(PAF:Paroxysmal Atrial Fibrillation)です。

このような肺静脈からの連打が続くと、心房細動は持続となってしまいます。

 

 

 

 

 

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SVTなのか?rapid-AFなのか?

ちょっと迷います。

血圧は安定しており、ERではATPが選択されました。

 

 

 

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F波がハッキリしました。F波の波形は形がどんどん変化してます。

 

 

 

 

 

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病棟モニターが叫んでる。心室頻拍か💦

でもよく見ると、RR間隔がバラバラです。

血圧を維持して意識も清明ならば、ちょっと考える余裕があります。プリントアウトして、divider片手に計測もアリです。

 

なお緊急DC施行でなければ、12誘導心電図記録は必須です。できれば長めの記録で確認しましょう。 

 

 

 

 

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心房細動のメカニズムに関する仮説のいろいろ。

A:複数のWavelet仮説。

B:自動能亢進。

C:単一のrリエントリーから拡がる説。

D:ローターまたはスパイラル波に起因する機能的なリエントリー。

E:心外膜層と心内膜層の間の興奮解離に起因するAF。

「いろいろあるんだな~💦」と思えば良い。