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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-220:answer

* 100才代の女性で、病棟モニターがVT とアラームを出した患者でした。

 回答をする前に、病棟心電図モニターの Long Version をご覧下さい。そして、もう一回診断を考えて下さい。


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では、回答です。

 

answer : CRBBBを伴った rapid Afib.

 最近のモニター心電計は、優秀です。

 特に、病棟に置いてある4〜8人用のセントラルモニターは、ちょっとしたHolter-ECG機能を持っています。

 (ペーシング)(PVC)(VT)など、画面に表示までしてくれます。メモリーが許せば、不整脈波形を残してくれています。

 

 但し、誘導は一つです。そこからアルゴリズムで、自動診断しています。完璧を求めるのは、ちょっと酷なんです。

 緊急性のない(ショックでない)場合には、12誘導心電図で診断するのが、本筋です。

 でも、VTと云ってるんです、モニターが!! さて、どうしましょう(-_-;*)。

 まず、患者を診ます。元気ならば、慌てない。

  ⇒(脈が良く触れる・会話が出来る・呼吸が安定で、OK!)

  ⇒pulselessなら、もうACLSの世界です。

 モニター波形を、じっとよく見る。

 12誘導心電図を、記録して判断する(余裕があれば)。

 頻脈で、wide-QRSですね。こっちが、ドキドキしてしまいます。

 鑑別は、VT以外は、いつものように四つです。

* sinus tachycardia

* PAT

* rapid-Afib.

* Atrial flutter(2:1伝導)

 もちろん、脚ブロックを伴っての頻脈です。

 この中で、心電図モニターを、じっくりと見ると、診断が容易なものがあります。

 Rapid-Afib. with CRBBBです。

    診断のコツは、モニター波形をじっと長く見ることです。

   モニター波形の静止画です。


Ecg220forweb

クリックすると、ECGが拡大します。



 このように、RRが揃って見える部分と、バラバラな部分があることが、分かりますね。



 この患者の rapid Fib. 時の12誘導心電図を、提示します。

Ecg22012leadsecgrapidafibforweb_3

クリックすると、ECGが拡大します。


 

教訓

【 WQRSTは、患者バイタルが安定していることを確かめてから、ゆっくりと診断しましょう 】

【 モニター波形は、じっくりと長く見てから判断する(患者が落ち着いていれば) 】

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