(アル中)と(アルコール依存症)は、同じか・違うか、は最後に述べます。
Hypokalemia K=1.5 mEq/L
⭕️ QT延長が著明です。
⭕️ 脱水で、頻脈です。
⭕️ R on TのPVCが、ヤバイですね。
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集中治療室での、カリウム補充療法が行われました。長期の栄養障害・下痢・脱水がベースで、なかなか改善しません。
気を付けるべきは、一旦改善すると、急速に血清カリウム値は上昇することがあります。特に軽度でもCKDベースの際は、気を付けて下さい。
一週間後の心電図です。(K=3.6mEq/L)
穏やかな心電図に、戻りました。
その変化を、比較しましょう。
K=1.5mEq/Lでは、QT時間はRR間隔のほとんどを、占めています。
K=3.8mEq/Lでは、QT時間はRR間隔の1/2以下です。(第6病日)
QT時間を精密に測定するよりも、見た目でアブナイQT延長だと気付いて下さい。リスクは、数値で割りきれません。
K=1.5mEq/Lでは、R on TのPVCが認められます。これは、VTに移行する危険性を持っています。その病院のプロトコールに従って、しっかりと血清カリウム値を上昇させて下さい。
低カリウム血症の心電図の気付きは、不整脈死を減らすことです。心電図モニターは、必須ですね。
QT延長の一番簡単な気付きは、
＊RR間隔の1/2以上に、T波が延長している。
です。おかしいなと思う第一段です。しかし、頻脈だとたいてい1/2を超えるので、決めつけはできません。
QT延長は、先天性・薬物性・たこつぼ心筋症・一部のACSなど、他の原因もあります。
でも、アルコール関連の問題を持つ患者が状態悪化して搬入された場合には、低カリウム血症の表現としてのQT延長ではないか？と疑いましょう。
実際は、T波とU波の融合です。R on Uと表現すべきかもしれません。
アル中(アルコール中毒)という、やや旧い用語をどう思いますか？
＊ ちょっと、差別用語的か？
＊ ジギタリス中毒、CO中毒のように、急性中毒のイメージあり。
→忘年会の一気飲みのような（急性アルコール中毒）に限定すべきか？
＊ 慢性的に飲酒しているのは、中毒か？
アルコール症、アルコール依存症の方が、病態的に適切でしょうか。
しかし、アル中と云う用語は、その患者のおかれた状況や家族の悲惨さまで感じ取ることができる日本語です。（痴呆と云う言葉が、そうであるように）精神科の医師も、患者と対峙する時に、(アル中)を使うことがあります。
医療側からではなく、患者側からアル中の世界を描いた（参考書）を提示します。彼らの実態が、赤裸々に綴られています。
クリックすると、拡大します。
https://www.amazon.co.jp/上を向いてアルコール-「元アル中」コラムニストの告白-小田嶋隆/dp/4909394036/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1536363984&sr=1-1&keywords=上を向いて
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