** ハジメの1枚:新入職医師のための心電図-02 **
=2015/4/24に、二度目の書き換えを行いました。=
用語を、QT延長に統一します。再分極過程の延長を思わせるST-T変化は、まとめて【QT延長】と表現していいんです、とお師匠様から、ご教授頂きました。
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ECG-181:60才代男性。お酒も飲めなくなってしまってのER 搬入でした。
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* ERでの血清カリウム値= 3.3mEq/L でした。
さて、如何ですか、この値を知って、もう一度心電図を、よく見て下さい。
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K=3.3mEq/Lの心電図。(at ER)
クリックすると、ECGが拡大します。
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* きれいな陽性U波が、見えますね。 まるで、T波のようです。
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この患者では、少なくとも来院直前・及び入院後のVT・動悸・失神発作は出現していません。不測の事態が生じる前に、電解質補正を完了できました。但し、生体内カリウムの減少は著しく、中心静脈ルートを確保してのカリウム補充を行っております。
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カリウム補正にて、K=4.4mEq/Lとなった心電図です。
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血清カリウム値が正常化した後の心電図と比較する、とQT時間の違いがよく分かりますね。
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このQT延長は、受功期(vulunerable period)の延長を意味し、VTなどが出現しやすい状況を意味します。
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アルコール症 → 栄養失調・慢性下痢 → 低カリウム血症陽性U波出現(=QT時間延長)だよね、と心電図記録前から推測してかかるのも、ありだと思います。
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*内科学会総会(2015年 at 京都)の書籍売り場にありました。ちょっと、うれしい。
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