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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-066:answer

 PacekamerのPacing-spikeのお話しです。

 雑駁に云うと、

◎ Pacingの電圧は、2.5〜4.5V程度

  →4.5Vは、普通の乾電池直列3個分。

◎ Pacingの幅(width)は、0.5ms前後

  →1/2000秒

  →症例により、この幅は調節できます。

  →12誘導心電図で見ても、その幅は、わかりませんよ。

◎ Pacing時、電極の先端がマイナスで、そこから電子は

  プラスに向かって出ている=流れます。

  →(電流)の方向と、電子の流れは逆ですよね。

◎ 旧いPacemakerでは、リードは単極(線が一本)なので、

  ☆リード先端がマイナス ★Pacemaker本体がプラス

  となって、電流が流れます。

  距離が長い分、12誘導心電図でのPacing-spikeが大きく

  描かれすい。(心電図A)

◎ 双曲(線が2本)のリードでは、その先端で電流が流れます。

  ほんとの先っぽがマイナス・その1cmくら近位がプラス。

  説明図を参照して下さいね。

  電流の流れる距離が短いので、12誘導心電図でのPacing-spike

  が小さく描かれやすい。(心電図B)

  時にspikeを見逃してしまうこともありますので、安易に

心室調律と判断しないで下さいね。

  但し、例外も多く、spikeの大きさだけで、単極か双極かを

  判断するのは、早計なようです。

  知っている方には当たり前の、ご存じない方にはヘェーと云う

  お話しでした。

 (心電図A)の解説。単極誘導です。矢印は電子の流れ。

E067vvi

 (心電図b)の解説。双極誘導です。矢印は電子の流れ。

E067