【不整脈薬物治療:略伝】
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不整脈治療の薬物選択は、経験主義に近かったのが、昭和の時代でした。
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例えば、抗けいれん薬・アレビアチンの有用性は、ご存知ですよね。脳での異常な電気的発火を押さえるのだから、心筋での異常発火=心室性不整脈も押さえるはず。ここまで、単純な発想ではなかっでしょうが、不整脈治療の本に、ちゃんとアレビアチンが載っていました。
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CAST-studyを経て、チェス理論のように(電気生理学的として)精密に、薬剤を選んでいくSicilian Gambit。でも、アウトカム改善無し。とほほ、でした。
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多くの英知と経験が結集されて、得られた抗不整脈薬治療の結論は、
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でした。PVCが出ようが、SVPCが出ようが、(患者が)困っていないならば、お薬の投与は、慌ててはいけないんですね。どうしても、それを治したり、押さえたりしなくてはいけない必然性(evidence)がある時のみ、投薬を考えます。もちろん、アブカテで済めば、アブカテ優先です。
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一部、ハイブリッド療法として、ICD植え込み後にVT/Vf発生予防として、アミオダロンが併用されることがあります。どうして効くのが生理学的にはよく分からない多岐にわたる作用機序を、持っている薬です。
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一般医が、きちんと向かい合わないといけない不整脈は、たぶん心房細動だけです。Rate Control & Rhythm Control。それ以外は、不整脈専門医に丸投げ! は、ひとつの正しいスタンスです。
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強調したいところを、赤の大文字としてみました(2020/11/4)。
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