*正解は、
Case-D). AFL 2:1 伝導 (common type)
でした。以下、解説です。
不整脈治療薬ファイル p-74
用語の中に”性”という字が入っていると包括的意味合いが強い。逆に、発作性上室頻拍を”発作性上室性頻拍”としないのは、より狭義の用語だからである。
心電図検定試験 Q7
*Fast pathway
もともとの心房と房室結節間の伝導路=速伝導路(そくでんどうろ)
*Slow pathway
遅い方の経路=遅伝導路(ちでんどうろ)
AVNRTでは、圧倒的に(slow→fast)が多い。
(slowで下行し、fastで上行する reentry)
心電図検定試験 Q7 answer-01
不整脈治療薬ファイル p-80
遅伝導路経由の興奮が「速伝導路を通って心房に到達するまでの時間」と「房室結節とHis束を通って心室に到達するまでの時間」の差により、逆行性P波とQRSの位置関係が決まる。
心電図検定試験 Q7 answer-02
心房粗動( AFL : atrial flutter )の 2:1伝導は、慣れるとすぐ分かるようになります。但し、common typeの場合です。
これ以外を#心電図検定試験に出しても、判読困難です。
分類はいろいろありますが、12心電図上は、commonかuncommonかで理解しましょう。
いわゆる(のこぎり波)は、II,III,aVFでハッキリします。
運が良いと、4:1伝導が捕まります。
心電図検定試験 Q7 answer-03
narrow QRS tachycardiaを見たら、まずAFLを考える・除外する。これは、お師匠様の教えです。その方が、間違えないからだそうです。
II,III,aVFで、のこぎり波では基線の平らな部分が無くなります。QRSにのこぎり波が埋もれているのを、想像出来るようになります。
(これは、別症例です)
心電図検定試験 Q7 answer-04
Case-A
PSVTです。
逆行性のP波(P’)が、I誘導とV1上で認められます。II,III,aVFでは、陰性のP波が理論上認められます。そのはずです。
でも、そんなに上手くはいきません。よく分かんない(・_・?)。
P’がT波の乗っていますので、AVRTの可能性大です。
ケント束の逆行伝導ですね。
心電図検定試験 Q7 answer-05
Case-A
洞調律に戻った波形では、逆行性P波によるT波上の尖りがV1で無くなっています。
洞調律波形との比較が、P’判定のキモです。
ERで頻拍の12誘導を記録したら、ぜひ停止後も12誘導心電図記録をして下さい。
心電図検定試験 Q7 answer-06
Case-B
PSVTを、ATP-flushで停止させています。
停止時にPVC三連発出ています。(aVRで北西軸であり)
この症例では=私は=P’を見出せません。
P波がQRSと重なっている=AVNRT(slow-fast)としております。
心電図検定試験 Q7 answer-07
Case-B
AVRTとAVNRTの違いは、概念的にこうなります。
AVNRT:房室結節とその周囲でリエントリーで発生する頻脈
AVRT:ケント束と房室結節を含むマクロリエントリーによる頻脈
とにかく、この二つを徹底的に理解て覚えましょう。
心電図検定試験 Q7 answer-08
Case-C
30才代の健康な男性です。リスクファクター全くなし。時々、激しい動悸と血圧低下で、立っていられなくなります。
今回やっと、発作時の12誘導心電図が記録出来ました。
narrow QRS tachycardiaです。
AVNRT or AVRT ??
2択です。考えてみましょう。
心電図検定試験 Q7 answer-09
Case-C
なお、PSVT時のST低下は、ACSを意味しません。
aVRのST上昇も、ACSの表現ではない。
知っておかないと、ビビります。
心電図検定試験 Q7 answer-10
Case-C
この方は、アブカテ治療受けました。
concealed-WPW syndromeでした。
*RV pacingで、CS3-4で早期興奮あり。
*HRA pacingで、Jump現象無し。
*FAST Kentとして、左側lateral最早期興奮部位を焼灼
*ISP/ATP負荷で頻拍誘発無しで、終了。
心電図検定試験 Q7 answer-11
Case-C
結果を知って、12誘導心電図を見てみましょう。
V2のT波が頻拍時に尖ってます。
II,II誘導で、陰性T波上に陰性P'が乗っている。
逆行性のP'波を示唆します。
しかし、自信が持てず、ひろ@循環器内科先生にもお聞きしました。感謝ですm(_ _)m。
これで、VT(前回)/PSVTは、診断学のスタート地点に立てました。
12誘導心電図だけでもまだTipsはありますが、取り敢えずです。
この後に、とても深くて興味深い深淵が続いています。
EPSの世界へようこそ!
私が、皆さんを連れて来られるのは、ここまでです。
次は、不整脈専門医の世界へ。