ECG-119:91歳女性。急性心筋梗塞でした。
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◎ 心房細動となっています。
◎ II, III, aVFで、異常Q波とflat-Tを認めます。STもやや高い。赤丸◯
◎ V4-6のT波が低いと云うより、QS-patternとなっています。緑丸◯
◎ V1-3のr波も元気ありません。
→ 前下行枝:Seg-8付近で閉塞した心尖部を巻いたLADでのACS.
→大きな右冠動脈の起始部閉塞によるACS.
二つの解釈は可能ですが、私は後者を取りました。
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発症時の急性期心電図です。
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◯ 洞調律です。
◯ II, III, aVFで、明瞭なST上昇。IIIでは異常Q波有り。
◯ V4-6でも、STは上昇しています。
◯ I, aVLでは、ST低下を示しています。ミラーイメージです。
→ミラーイメージの存在は、ACSを強く支持(probably)します。
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典型的な下壁梗塞で、その領域は側壁にまで及んでいます。
→RCAの梗塞で、とても大きな右冠動脈での心筋虚血である。
→Lcxの梗塞で、側壁・下壁が虚血である。伝導系に障害無く、AV-blockなし。
→LADのSeg-8あたりの梗塞である。これが、心尖部を下壁側へ回り込んでいる。
よって、II, III, aVFのST上昇も伴っている。対角枝(Seg-10)の虚血=側壁障害。
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上記三つの解釈ができますが、常識的には、大きなRCA一枝病変でしょう。
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ここで、当然心エコーでの確認となります。
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2腔像では、下後壁が後半に壁運動障害を呈しています。
2,4腔像では、心尖部での心室瘤様の運動障害を記録しています。
右心系の拡大はなく、右室梗塞の合併はないようです。
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心エコーの動画で再確認です。2腔像→4腔像と連続で確認できます。
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下後壁を大きく支配し、心尖部まで及んだ壁運動障害です。大きなRCAでの障害が、私には理解しやすいのですが、冠動脈造影を行っていませんので、真実は不明です。でも、PCIしないのならば、その詮索は、あんまり意味ありません。
広範囲な下壁・側壁の梗塞であることが、理解できれば、よいのです。
発症前の心電図を、提示します。
これと比較すると、亡くなる前の心電図では、大きく起電力を失っています。全然別人のような心電図ですね。時に、1枝でもその支配領域が大きいと、絶大な障害を示します。
発症前の心電図です。
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