60才代の男性で持続する胸痛で、ACS(#12)でした。
回旋枝が心臓のどの部分を支配しているか、三次元的理解が必要です。要は、側壁(左室自由壁)です。
その支配領域は、右冠動脈とのバランスで微妙に変化します。また閉塞部位が、近位側か遠位側かで、心電図変化も変化します。
あんまり変化に乏しい胸痛発作患者は、心電図+心エコーでの壁運動評価で、ACSなのか判定しましょう。
(左室短軸像)
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壁運動障害が見えてきましたか?
側下壁(4~7時方向)が、hypokinesisですね。
RCA支配の8~10時方向は、normalです。
よって、心エコー的診断はLCX病変です。
右室が左室の真横にあるか、少し上(胸骨下)にかぶって見えるかは、症例により異なります。
この症例では回旋枝領域は結果として、乳頭筋レベルで
4時~7時方向くらいが支配域です。
梗塞領域が狭いと周りの正常壁運動に引っ張られて、一見動いているように思えます。Systolic thickningの減少・消失がポイントです。(慣れないと、そう見えてこないんですけど(-_-;*))
四腔断層像で、側壁が動いていないことを確認して下さい。
(心尖部 四腔像)
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LCX領域か、RCA領域か。
心電図と心エコーで、絞り込めます。
でも、STE-ACS(STEMI)か否かが、大切なんです。循環器科に適切にバトンタッチできれば、どっちでもいいんですよ(^_^)。