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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

【コラム-070:左気胸の心電図を、ちょっと考えてみます。(1/2)】

  左気胸の診断に、心電図は要らない

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 この前提は、ひっくり返ることがない、のですが心電図を集めてみると、いろんな変化を示していることも、事実でした。

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【緊張性の左気胸:70才代】

 手順として、先に心電図が記録されて、次に胸部レントゲンとなってしまった症例です。

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 上記のような状況と、その治療後の心電図です.

 

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* V4の電位が、治療後に改善した見たいですが、他の誘導の変化が少なく、当てになりません。

* V1,2の電位とT波の変化の方が大きいですね。気胸により、心臓の回転が起きたのでしょう、たぶん。

* P波を見ても、緊急時に肺性P波のような尖り方は、していません。

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 振り返りでも、この心電図は、あまり語りかけてくれませんね。

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【左気胸:90才代】

 COPDの末期の超高齢者が、気胸となってER搬入です。すでに積極的加療は望まない状況だったのですが、呼吸苦を取る目的で、胸腔ドレーンを挿入されました。左肺門部には、未治療(経過観察のみ)の肺がんがあります。

 左気胸状態での心電図です。

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 全誘導での低電位です。これぞ、気胸の影響でしょうか?この方は、当院初回搬入であり、経過が急であったために、経時的評価はなされていません。胸部レントゲン・胸部CTを添えます。

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 心臓は、右胸腔に押されています。

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 せめて、胸部誘導の低電位は左気胸のシグナルとなるのではないか?

 このお話は、次のコラムで。。

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