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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

【コラム-070:左気胸の心電図を、ちょっと考えてみます。(2/2)】

 左気胸の診断に、心電図は要らない

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 の続きです。
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 CLBBBの患者さんが、左気胸になりました。
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V4,5のQRS高が異常に低いですね。なんか、起きてそうな気がします。

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 胸部レントゲンを見ると、これだけ左肺が収縮したら、V4,5が低電位になるのは、あり得そうですね。

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 気胸治療後の改善と比較すると、やっぱり低電位です。

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 胸部誘導の低電位は、左気胸のサイン・・と思いたいのですが、この症例は、この一年前に(右気胸)を起こしていました。

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やっぱり、V4,5が低電位になっています。この説明は、、とてもできません、とほほ。

 この心電図の特徴として、右軸偏位があります。aVRのQRSは、陰性を示しており、左右の誘導の付け間違いはないようです。これは、かなりの右心負担で説明できそうですが、肺血流の急激な低下ならば、どちらの気胸でも起こりそうな気がします。

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 気胸時の心電図は、後で見ると、いろんな変化を起こすこともあり、全然変化しない事もあり、複雑です。

 でも、結果から屁理屈を並べるだけで、例外が出てくると、途端に窮してしまいます。

 結論は、最初に述べたように、やっぱり心電図で気胸はわからない(・_・?)、でした。

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