60才代男性で、極度のうっ血性心不全でのER搬入でした。
. お酒大好きさんが、時々DCM様の心機能となって搬入されます。
アルコール性心筋症(Alcoholic cardiomyopathy)です。大酒家がDCM様の左室心筋障害を起こして、他に原因が見つからない場合に、こう呼ばれることがあります。断酒で、心機能が改善することがあります。まだ初期の内は。
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1年後の心電図です。
洞調律です。
高電位です、ST-T変化を伴い、普通は左室肥大と診断しますね。
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冠動脈造影では、問題を認めていません。
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急性期と慢性期の心電図/胸部レントゲンを比較してみましょう。
胸部レントゲンでは、明らかな肺野のうっ血と大量の胸水を、(at ER)で認めます。心陰影もぼやけています。1年後の慢性期には、心拡大も無くなり、心陰影もシャープです。胸水ありませんね。
心電図はなんと云っても、電気がLow voltage→High voltageと変化しております。よく見ると、(at ER)の時点で V5,6のST-T変化はあり、もともと左室肥大的所見は、持っていたようです。
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心機能的にも、急性期 v.s. 慢性期では、左室の拡大/壁運動低下が、著明に改善していることが、心エコーで確認できました。
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