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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-295:answer

 80才男性です。


 見ただけで、重度の左室肥大(severe LVH)と思われる方が、多いでしょう。

 高血圧・CKDの末に、現在は維持透析を施行されている患者さんです。なかなか、透析導入に踏ん切りがつかず、その分高血圧が長期に持続していました。

 6誘導心電図では、R波が被さって、波高が読みにくいですよね。

 電子カルテの利点は、波形表示がクリック一つで変更できる点です。

 2誘導づつの表示です。

Ecg2953lvhweb

クリックすると、ECGが拡大します。

 

⭕️ R波高の著明な高値。

⭕️ ストレイン型のST低下を認める。

⭕️ これが、側壁(I, aVL)にまで、拡がっている。

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 単なるR波高値は、体型の問題に過ぎないことも多々あります。

 ST-T変化とペアで出現して、初めて説得力を持ちます。

 5年前の心電図がありました。

Ecg2954lvhweb

クリックすると、ECGが拡大します。

 

現在の波形と、5年前の波形を、胸部誘導で比較します。 

Ecg2955lvhweb

 このように、R波高もST-T変化も、左室肥大の進行により変化しています。

 心エコー図です。

(左室長軸像)

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(左室短軸像) 

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(四腔断層)

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 今回は、典型的な左室肥大の心電図でした。

 原因は、高血圧の臓器障害が生じた病態でも、AS/ARの大動脈弁障害でも、なんでもいいんです。肥大型心筋症でもよい。

 これだけ心電図が変化すれば、左室肥大としか、考えられません。

 しかし、逆は真ならずです。心電図が、あからさまに変化するのは、左室肥大のかなり進行した状況です。心電図変化が少ないことから、左室肥大を除外はできないので、注意して下さい。

LVHは、高電位とST-T変化が揃うと、分かりやすい 

 心電図所見のみで、LVHの除外はむつかしい 


【 成書のLVH心電図像は、あくまで典型例なので注意! 】


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2015_9_27_2

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