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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-356:answer その1 = 心電図検定試験:傾向と対策 Q.004 =

V1 tall-R wave となる病態が、いくつかあります。

根底にある電気生理学的説明は、

 

  • V1誘導部位に、起電力が高い心筋がある。             
  • (=右室肥大 :RVHか、この部位の肥大型心筋症)

 

  • V1誘導部位に向かう興奮波がある。

 

の、どちらかです。

 

 

 

Case-A:CRBBB(完全右脚ブロック) 

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クリックすると、心電図が拡大します

 

 

器質的な心疾患を有さない、おだやかなCRBBB波形です。

 

*V1でのrsR`波形。

*120msec.(=3.0mm)以上の幅広いQRS.

*V6での幅て広なS波。

*I 誘導での+90°までの右軸偏位。

 

ピュアなCRBBBの波形イメージを体得して下さい。

(これに心疾患が乗ってきて、波形を色々と修飾します)

 

左室は刺激伝導系の高速伝播により一挙に興奮します。

その後に、ダラダラと右室に興奮が伝わります。池の波紋のように。このダラダラがV1のR`であり、V6の幅広いS波となります。I 誘導での大きなS波形成があり、CRBBBのみで+90°までの軸偏位は説明出来ます。

 

 

 

 

Case-BASDによる肺高血圧症。(Eisenmenger化した場合) 

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クリックすると、心電図が拡大します

 

IRBBBかCRBBBか、ちょっと迷いませんか。

ぎりぎりIRBBBです。ASDに多いですね。

 

極度の右軸偏位で、CRBBBでは説明出来ません。

ASD の結果としての肺高血圧症→右室肥大です。

この症例は、Eisenmenger化していました。

 

*極度の右軸偏位があります。

*V1-3でR>Sです。ストレイン型のST-T変化です。V5,6あるとLVHですね。同じ事が、RVHでも起きています。

*右心負荷は、必ず右心系の拡大を伴います。時計軸回転となります。

*RVHによる狭く尖ったR波(V1-3)は、V5,6の狭く深いS波となります。

 

 

CRBBB と RVH(ASD)を、比較してみましょう。 

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クリックすると、心電図が拡大します

 

 

*右軸偏位の程度の違い。

*V1-3のR波とST-T変化の違い(ココが大切)

*Pulmonary-Pのようですが、この有無はあんまり当てにならない。

 

なお、右室圧上昇の所見であり、ASDを想起させるのはIRBBBであることくらいです。

 

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