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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-122:answer

 右胸心ですね。
 内蔵逆位の一症候ならば、単に臓器が全て逆になっているだけで、問題は生じません。詳細は、ググって下さい。
 
 
 88歳女性の心電図ですが、
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●  I 誘導では、右軸偏位。(R/S<1)
●  胸部誘導で、しだいにR波が低くなる(V5,6でほとんど無くなる!)。
●  P波は、たぶん I 誘導で陰性。aVR/aVLは、陰性=心房が立位?
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 左右電極の付け間違えでは、胸部誘導が説明できません。
 胸部レントゲンで、右胸心が証明されます。
 腹部レントゲンで、胃泡が右(逆位)にあり、内臓逆位と思われます。

E12288fxp

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 88歳男性の心電図ですが、
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◎  baseが、CRBBBです。
◎  胸部誘導で、R波がどんどん小さくなります。
◎  I 誘導で、QR pattern。P波が陰性。
◎  aVRでたぶんP波が陽性。aVLで陰性。aVFは陽性。
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 CRBBBが基礎にありますので、よけい混乱しますが、右胸心と考えると全てが理解されます。
 その胸部レントゲンとCTです。胃泡が逆ですし、CTにて内臓が全て逆位に存在していることが、わかります。

E12288mxpct

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 この、胸部誘導がどんどん電位が下がっていくのを説明するのは、他に、

☆  左肺の気胸

COPD(肺気腫)。

 を、まず想定せねばなりません。右胸心との鑑別は、通常の胸部レントゲンで、まず十分です。CTまで撮ると、内臓逆位が確認できます。

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 心電図を逆に装着すると、両方とも、通常の形に見えてきます。

 両者を比較してみて、下さいね。

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88歳女性:右胸心の通常の心電図記録(前出)

 

 

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 ↓↓↓↓(逆に誘導を付けてみる)

 

E12288f

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88歳男性:右胸心の通常記録(前出)

 

E12202407339mm88m_2

 ↓↓↓↓(逆に誘導を付けてみる)

 

E12288f_2

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