80才代の女性で、心電図が異様に変化した症例でした。
経時的な変化を比べることは、とても大切です。こんな風に、
それでは、発症時と約1ヶ月後の心エコーで、左室壁運動を比較します。
う~ん、静止画では、ちょっとわかりにくいですね。
動画を見て下さい。
(発症時の左室壁運動:4 chamber view)
(発症時の左室壁運動:3 chamber view)
(1ヶ月後の左室壁運動:4 chamber view)
(1ヶ月後の左室壁運動:3 chamber view)
心尖部の壁運動が、ウソのように改善しています。心室瘤化していた部分が、正常運動に戻りました。ACS後ならば、壁の菲薄が出現しますが、壁厚も十分あります。但し、この時点でも、胸部誘導は、陰性Tを呈しております。
この壁運動障害は、一週間くらいで正常化することも、多々あります。
心電図も心エコーも、おかしいな?と思った時に記録を残しておくことが、重要なんです。心エコーは、必ず動画でね。さらに、急性期と比較するために、慢性期は同じアングルで、記録を残して下さいね。
さらに、慢性期心筋シンチです。
急性期と慢性期の(タリウム)心筋シンチを比較します。
心筋内血流が改善し、左室心尖部での核種の取込が、改善しています。
さらに慢性期において、
のダブルシンチを撮像しております。
BMIPPの方が、取込欠損領域が大きいですね。
タリウム心筋シンチとのミスマッチが、血流はあるけれど、心筋代謝障害が残っていることを、示しています。(但し、ACSとの鑑別にはなりませんが。。)
今回は、たこつぼ心筋症の経時的心電図変化と、周辺検査結果を、詳細に述べてみました。
症例毎に、重症度も、経時変化も異なります。心電図が教えてくれることも、違ってきます。
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