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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-322:answer

Sgarbossaの診断基準で、ACSを診断出来なかった症例でした。やれやれですが、この基準は、

 

* 感度がむちゃ低い。

* でも特異度が高い。

 

のが特徴です。

Sgarbossa Criteria の詳細は、コラムでご説明予定です。

すぐに知りたい方に、下記のwebsiteもご参照下さい。

3score(ポイント)以上で、ACSを強く示唆します。

 

兵庫県保険医協会:心電図ハンター 脚ブロックの虚血診断

http://www.hhk.jp/gakujyutsu-kenkyu/ika/181013-100000.php

 

内科・救急・集中治療の勉強日記

http://blog.livedoor.jp/rs0514/archives/17570595.html 

 

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クリックすると、心電図が拡大します

 

1ヶ月前と今回(X-day)の心電図を、比較しましょう。 

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肢誘導のVoltage差はありますが、波形変化に優位なものを、見出せません。トホホ。。

 

 

入院後の経時的心電図変化です。 

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やはり、明瞭は変化は指摘できません。

急性心筋梗塞の診断と部位確定は、他の方法論が必要ですね。

 

 

入院後血液生化学検査結果の経時列表です。 

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max-CPK値は、PCIをしないRCA or LCX閉塞の自然経過にあっています。

トロポニン-I(Tn-I)は、心筋壊死に十分な高値です。

GOT>>GPTで、筋肉障害パターン(昭和の時代は、これだけでも急性心筋梗塞を疑っていました)

CKD,demenita,超高齢で、心カテできません。

 

当然、心エコーでの評価です。

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CLBBBは、独特の壁運動をしますが(=左脚がきれているため)、それを差し引いても、下壁・心室中隔下部の壁運動障害が明らかです。 

 

 

(左室2腔像) 

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(左室短軸像) 

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虚血部位の局在性の決め手は、タリウムピロリン酸でのダブル心筋シンチでした。発症5日目です。

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タリウム心筋シンチで下壁が欠損(defect)し、ピロリン酸心筋シンチで、同部位に集積(hot spot)が認められ、新鮮な下壁梗塞であることが、証明されました。

残念ながら、抗血小板薬投与くらいしか、積極的な治療はできておりません。でも、患者さんはいたってお元気でした(^_^)。

 

【CLBBBでSgarbossa Criteriaが適応できない症例での診断法も知っておこう!】