Sgarbossaの診断基準で、ACSを診断出来なかった症例でした。やれやれですが、この基準は、
* 感度がむちゃ低い。
* でも特異度が高い。
のが特徴です。
Sgarbossa Criteria の詳細は、コラムでご説明予定です。
すぐに知りたい方に、下記のwebsiteもご参照下さい。
3score(ポイント)以上で、ACSを強く示唆します。
兵庫県保険医協会:心電図ハンター 脚ブロックの虚血診断
http://www.hhk.jp/gakujyutsu-kenkyu/ika/181013-100000.php
内科・救急・集中治療の勉強日記
http://blog.livedoor.jp/rs0514/archives/17570595.html
1ヶ月前と今回(X-day)の心電図を、比較しましょう。
肢誘導のVoltage差はありますが、波形変化に優位なものを、見出せません。トホホ。。
入院後の経時的心電図変化です。
やはり、明瞭は変化は指摘できません。
急性心筋梗塞の診断と部位確定は、他の方法論が必要ですね。
入院後血液生化学検査結果の経時列表です。
max-CPK値は、PCIをしないRCA or LCX閉塞の自然経過にあっています。
トロポニン-I(Tn-I)は、心筋壊死に十分な高値です。
GOT>>GPTで、筋肉障害パターン(昭和の時代は、これだけでも急性心筋梗塞を疑っていました)
CKD,demenita,超高齢で、心カテできません。
当然、心エコーでの評価です。
CLBBBは、独特の壁運動をしますが(=左脚がきれているため)、それを差し引いても、下壁・心室中隔下部の壁運動障害が明らかです。
(左室2腔像)
[http://:title]
(左室短軸像)
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虚血部位の局在性の決め手は、タリウム&ピロリン酸でのダブル心筋シンチでした。発症5日目です。
タリウム心筋シンチで下壁が欠損(defect)し、ピロリン酸心筋シンチで、同部位に集積(hot spot)が認められ、新鮮な下壁梗塞であることが、証明されました。
残念ながら、抗血小板薬投与くらいしか、積極的な治療はできておりません。でも、患者さんはいたってお元気でした(^_^)。
【CLBBBでSgarbossa Criteriaが適応できない症例での診断法も知っておこう!】