Wellens syndromeは、最近ご報告しました。
「あっ、あれね。覚えてるよ。」と、云う方から、
「えっ、そんなの知らないよ。」と、云う方まで、色々でしょう。
まず最初に、PCIの結果(=結論)を提示します。
前下行枝(LAD)の#6で、完全閉塞でした。
スムースな拡張とstent留置に成功しております。
では、(普通に)心電図を読んでみます。
* V3のT波が、二相性である。(Wellens syndrome)
* V1-3のST上昇を認めます。
* Reversed R wave progression(RRWP)を認める。
* aVLでは、QS pattern と 陰性T波を示しています。
* I 誘導で陰性T波を示しています。
Wellens sybdromeと云う考え方のポイントは、
胸痛の最近あって(今ないけど)、こんな心電図変化を示していたら、近いうちにACSが起きる可能性が高いよ!と云うものです。
コラム-215 で、解説しております。
この症例の心筋酵素関連の時系列変化です。
すでに、CPK, トロポニン- I は、ERの時点で上昇しています。さらに、胸焼け=胸部不快感が、今ここにある状況でした。
素直に、ACSですね、ERの心電図は。さらに、この症例の心電図の経時的変化を示します。
X-day(at ER)。PCI後の X+3day, X+11day, は、心電図形態が、まんま Wellens syndrome ですよね。
【 ACSでは、経時的心電図変化を、いろいろ示します 】
【 Wellens syndromeは、何にも他に何にも所見が無い時に、心電図と症状で、ACSを予見するツールです 】
ECG-211, ECG-219 の心電図を見て、危ない心電図だ!と思えるようになって下さい。
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