#blog-title{font-size:150%; }

Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-216:answer(2/2)

40才代男性の胸焼け症例の、経時的心電図変化を見てみましょう

III, aVF 誘導の変化は、いかにも虚血性変化です。

II 誘導は、(私は関係ないですよ)的に、正常化しています。

aVLのST低下と陰性T波は、正常化と云う変化を示しました。

  ⇒ミラーイメージですので、元が治れば、戻ります。

I 誘導のちょっとしたST低下は、もう分からなくなりました。

*その気になって眺めると、V2,3のT波は少し尖ってきました。後壁の陰性T波のミラーイメージかもしれません。

*なお、(X+6day)の心電図では、III誘導の変化。aVFのわずかな変化。II 誘導は正常です。この心電図だけだと、虚血はむしろ否定されます。


Ecg2167pciforweb

 

クリックすると、ECGが拡大します。


 特に、PCI直前の心電図を、別にご覧下さい。

 心電計自動診断は、【正常範囲】となっています。確かに、この心電図だけを臨床情報なしで見ると、そうなってしまいます。


Ecg2167pciforweb_2

クリックすると、ECGが拡大します。





 経時変化で見ると、確かにACSは強く示唆されますが、これでは緊急のPCIに、間に合いません。酵素学的変化がきちんと揃った段階では、ゴールデンタイムを逸するかもしれません。

 臨床症状以外で頼りになるのは、やっぱり心エコーでの壁運動評価です!

 でもね、後壁の壁運動障害は、けっこう見落とされるんです。多少壁運動が悪くても、動いているように見えるんです、慣れないと。


Ecg216forweb

クリックすると、ECGが拡大します。

 

 静止画では、わかりにくいのでyoutube経由の動画で、確認して下さいね。(後壁が動いているように見えるかもしれませんが、それは横ずれの動きのみで、左室腔を絞り込む動き=systolic thickningが、認められません。健常例と比較してみて下さいね。)



(ECG-216での左室後壁の壁運動障害)

">




( 正常壁運動の症例)

">





.

.

.

.

.