ACS心電図の乱取りです。時々、ACSもどき心電図を混ぜます。
(元ブログへのリンクを付けます)
慣れてきましたか?ACS心電図。
乱取りですので、どんどん回答して下さい。ERでのACS心電図診断は、数十秒で行いますよ。胸痛でのER搬入です。
心電図試験のお役に立ったでしょうか。
from ECG-284(No.16) ERで2回心電図記録しました。
(30秒考えて、回答へ)
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*ぼんやりした胸部不快感が続きました。
*V2-4のT波が経時的に高くなりました。
*LAD-ACSかと思いますが、なんかスッキリしません。
*よく見ると、D1(対角枝)が遅延造影となっておりました。
*D1はV2-5の胸部心電図電極と並行しています。
*LADのメインストリート(#6/7/8)の血流が保たれつつ、D1の虚血なので、分かりにくいんですね。
(Question)
(answer)
from ECG-249(No.17)
(30秒考えて、回答へ)
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*経時的に、どう変化したかよくわからないですね。胸苦はだんだん悪化するのに、ST-T変化が分かりません(・_・?)。
*ここで、注目すべきは右軸偏位の出現です。
*肺塞栓ではないか?と思えれば、心電図の役目は終わりです。
*右心系の拡大と、巨大な肺動脈内血栓を造影CTで認めます。
*心電図の経時的変化では、第二病日で分かりやすい心電図変化が出てきました。
*V1-3で、陰性T波の出現(=右心負荷)です。
*S-I,Q-III,T-IIIが、第二病日心電図で明瞭です。
*初日でこのサイン出てくれないと、困りますね~。
*沢山のPTEを経験して、ほんの少しの症例で見つかるサインです。しかも、この程度の変化なんです。
*たこつぼ心筋症と異なり、陰性T波の拡がりが前胸部なんですね。
(Question)
(Answer)
from ECG-053(No.18)
(30秒考えて、回答へ)
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*後下壁のACSであることは、明瞭です。
*aVLでミラーイメージのST低下でACS確定です。
*V1-3でのST低下とQSパターンがちょっと変な感じ。
*もともとの陳旧性前壁中隔梗塞に、後壁梗塞のミラーイメージ(ST低下)が乗っていると考えると、理解出来ます。
*二回目の梗塞は、ひねくれた波形になることあり!です。
(Question)
(Answer)
from ECG-118(No.19)
(30秒考えて、回答へ)
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*虚血ありきで考えると、分からなくなります。
*V1-3の尖りすぎたT波。
*P波の無いregularな徐脈。(sino-ventricular conduction)
*幅広すぎるQRS波。
*見慣れてると、高カリウム血症以外の診断は出てきません。病歴聴取前でも、すぐに反応して下さい。
*ある程度血性カリウム値を下げると、すっくと元の安定した波形に戻ります。
*逆に、ある域値を超えると高カリウム血症の心電図に急に化けます。その域値(=血清カリウム値)は、個々の症例で異なります。
(Question)
(Answer)
from ECG-132(No.20)
(30秒考えて、回答へ)
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*ACS以外、ちょっと考えられない。
*たこつぼ心筋症でも、超急性期はこんな感じあるけど、V1のでST上昇しているから除外できる。(aVRでST低下してないし)
*I, aVLのSTまで上昇しているから、大きなLAD-ACSみたい。
▲RCAのflow-delayはない。
▲LADに有意狭窄を認める。
▲STENTを留置。
*PCI後のflowは、良好です。
*派手な心電図変化だった割に、慢性期はR波がきちんと残っています。但し、心筋ダメージとしてのGNT(巨大陰性T波)は2週間経ても残っていますね。これだけ見ると、たこつぼ心筋症に思えてしまいます。緊急のPCIで、心筋壊死を最小限にしております。
(Question)
(Answer)
ふ~。20例しかノックしていないのに、くたびれてしまいました(-_-;*)。
ACS-ECGシリーズコラムは、一旦終了です。
もし、ERで心電図診断に失敗したら、ここを再訪して下さい。12誘導心電図は振り返りで見ると、いろんな事を語っていたんです。