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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

コラム-077:病棟心電図モニターより一言

   こんばんわ。病棟心電図モニター(以下、モニタ)です。

  このブログの著者が、ヒヨッコだった昭和50 年代後半、我々モニタは、すでに無線方式でした。でも、けっこう問題がありました。

  時に混線が、生じたんです、モニタ同士が。3Fの患者の波形を2Fで拾ったり、道路向かいの隣の病院のモニタ波形を拾ってみたり。他の患者の心電図波形を、描くことがあったんです。今なら、ネットで大騒ぎですね。インターネットの無い頃ですから、ローカルなお話しでした。

  心電図記録は、リアルタイムでしか出来ませんでした。(メモリー機能がない!)不整脈発作が出現したら、とにかく記録を残す!これが、鉄則でした。

 今は、メモリーさえ有れば、いくらでも波形を保存できます。有ればね。

 この著者の病院メモリ君は、8人様セントラルモニターで、約3日間分の波形を記録します。いろいろ、波形を分析して記録します。

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〇 心拍数のトレンドモニター:これは、以前よりありました。

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〇  アラーム記録:モニタ君が(異常)と判断した波形は、 メモリーに記録が残ります。

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〇  リコールは、問題となった異常波形(縮小)の一覧です。

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〇  リコール波形を、拡大表示しました。

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〇  波形の認識:PVC・pacing・SVPC等を、認識して表示します。

        ⇒病棟モニターは、 P波を認識しません。

        ⇒早期に同じ形のQRSが出現することで、SVPCと認識します。

〇  全波形記録:当院では、モニタ君が約3日間波形保存しています。但し、退床すると、波形は消去されます。(院内の別メモリに保存すれば、残せます。)

〇その一部分を、表示してみます。(20秒表示です)

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〇  過去のメモリーより、波形のプリントができます。(やや、制限あり)

〇  波形の横流し(動画化)も、一部出来ます。

  どうでしょうか?あなたの病院のモニタ君を、十二分に活用されていますか?モニタ君は、あなたのお呼びを、待っていますよ。

 なお、電子カルテで直接患者のモニター波形を、参照できる病院もあると思います。それは、(診療報酬に関与しない)部分への資金投資を、経営者が行っているのです。羨ましい限りですね。

  我々モニタは、患者波形を忠実に残します。それを、判断し活用するのは、医師・看護の方々です。

  今回のコラム名(病棟心電図モニター から一言)は、SFの古典として有名なフレドリック・ブラウン【スポンサーから一言】へのオマージュですね。モニタ君は、それくらい古くから有るんです。