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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-322:answer(2/2)

不整脈の問題です。

PAC(SVPC)発生時の心内血流を提示しますね。

 

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クリックすると、心電図が拡大します

 

 

の心電図部分が、PACとそのQRSです。早期に出現しています。

僧帽弁流入(mitral inflow)のパルスドプラ波形では、E波とA波が融合しています。左室の拡張による受動的流入(LALV)に心房収縮が乗ってしまい、左室に十分な血液量が入らない時点で、次の左室収縮が起きてしまいます。

左室流出路血流(LV outlow)の連続波ドプラ波形では、PACによる血流は低下( 赤矢印)しています。脈波も小さくなりましたね。

 

 

(パルスドプラ:SVPC時の僧帽弁流入血流)

[http://:title]

 

 

(連続波ドプラ:SVPC時の左室流出路血流)

[http://:title]

 

PACは、左室内で正常な刺激伝導系を介して興奮が伝わるので、それなりの駆出はできます。それに、あんまり早く発生したPACは房室結節でブロックされて、Blocked PACとなってしまいます。

 

 

二段脈は、QRSの形が同じならたぶん上室性

 

P`12誘導心電図で見つければ、ほぼ上室性二段脈

 

PACなら早期収縮でも、脈は触れる

 

 二段脈で早期収縮のQRS幅が広いと、PACPVCか迷うことありますが、どっちでも臨床的には困らないことが多いんです。