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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-239:answer

 ERの心電図が、心房粗動であることは、気付かれたかと思います。

  II, III, aVF での典型的波形(鋸歯状波:のこぎり波)。

2:1伝導での頻脈です。

 分かりやすい心電図です。 

Ecg239aflforweb

クリックすると、ECGが拡大します。

 入院3病日の心電図:HCUの心電図は、波形が変化しています。

II, III, aVFののこぎり波は、不明瞭です。

V1での心房頻拍様の波形が認められます。

 伝導が変化しており、2:1 4:1となっております。 

外来安定期の心電図:いつも安定していました。

 著明な左室肥大を呈しております。

 心エコーでは、HOCMでした。 

Ecg239dcforweb

 カテーテルアブレーション前の心房細動発作時の心電図を示します。 

Ecg239afibforweb

 5年間、明らかな頻脈発作がありませんでした。カテーテルアブレーションは、成功であった云えます。

 新たな心房内での発火(re-entry)が起きて、頻脈発作→心不全発生でした。心房細動は抑止されていました。

 心房粗動は、エビデンスは少ないですが、それが続くときの塞栓症発生リスクが高まります。まして、心房細動時の肥大型心筋症での塞栓リスクは高いとされています。心不全発生後です。三段論法ですが、抗凝固療法を再開しております。

 こういう変化を生じた症例を、経験致しました。

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