ERの心電図が、心房粗動であることは、気付かれたかと思います。
* II, III, aVF での典型的波形(鋸歯状波:のこぎり波)。
* 2:1伝導での頻脈です。
分かりやすい心電図です。
入院3病日の心電図:HCUの心電図は、波形が変化しています。
* II, III, aVFののこぎり波は、不明瞭です。
* V1での心房頻拍様の波形が認められます。
* 伝導が変化しており、2:1 ~ 4:1となっております。
外来安定期の心電図:いつも安定していました。
* 著明な左室肥大を呈しております。
* 心エコーでは、HOCMでした。
カテーテルアブレーション前の心房細動発作時の心電図を示します。
5年間、明らかな頻脈発作がありませんでした。カテーテルアブレーションは、成功であった云えます。
新たな心房内での発火(re-entry)が起きて、頻脈発作→心不全発生でした。心房細動は抑止されていました。
心房粗動は、エビデンスは少ないですが、それが続くときの塞栓症発生リスクが高まります。まして、心房細動時の肥大型心筋症での塞栓リスクは高いとされています。心不全発生後です。三段論法ですが、抗凝固療法を再開しております。
こういう変化を生じた症例を、経験致しました。
ECG