2023/1/14までに、一人じゃ勉強できないよ~!!
新シリーズです。
2級合格を目標として、いろんな波形を学び直し、その後に1級受験へ誘うコラムです。
今回は、1級受験前に知って欲しいAfib.の知識です。
直接試験問題には出ませんけど、心房細動の心電図を読み込む深さが、きっと違ってきます。
発作性心房細動は、頻拍(動悸)で発症するのが一般的です。特に、器質的心疾患のない若年者では。
SVTと違うのは、発作出現時刻はAFでもSVTでも覚えていますが、AFが停止するときは、いつの間にか治っているが多いんです。
心房細動なのに、安静時の心拍数が60-80bpmの場合には、
*慢性化している。
*薬物でレート・コントロールされている。
*房室伝導に障害起きている。
を想定して下さい。
左房を単純化して考えてみましょう。
左房には、4本の肺静脈があります。
心房筋袖(myocardial sleeves)と云う(左)心房筋の成分が肺静脈に複雑に入り込んでいます。発生時に起きる現象です。
この心房筋袖(しんぼうきんしゅう)は、自律的な発火を起こすことがあります。
肺静脈からの(firing:ファイアリング)が、頻回に出現しています。
Firing自体は、600-800bpmとされています。この症例では、2:1で400bpmくらいの
肺静脈→左房への興奮伝達なのでしょう。
心房粗動と異なり、firing波形自体は崩れていってます。短い心房細動なんですね。
この発火が続くと、多くの大小リエントリーが機能的に心房内で成立します。
Multiple wavelet reentries
遂に、心房の(学級崩壊)が起きました。心房細動です。
左房が細動化すると、Mahaim,冠静脈洞を経て、右房もバイスタンダーとして細動化します。
発生頻度は、左上肺静脈が一番高いようです。
(Left Superior pulmonary vein)
でもカテーテル・アブレーションでは、四本全てを電気的に隔離して肺静脈からの高頻度刺激が、心房内に拡がらないようにしますね。
なお、右房壁や上大静脈にもfiringを起こす起源が存在することがあり、アブレーションのtargetにもなります。
=羊さんのアイコンは、そじきよ氏のご厚意によります。感謝です。=