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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-318:answer

今回は、まずanswerを提示します。

 

* ERの心電図判読

  洞調律なれどP波二種類あり。

  心房細動ではない。

 

 

*別の日の心電図波形を推定

  きっと心房細動波形のはず。

  重度のMR由来でなければ、心房細動による左房拡大。

 

(ERでの心電図)解説

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クリックすると、心電図が拡大します



慢性の心房細動では、律動的心房収縮が無いため、次第に心房が拡大してきます。心房細動が起きる状況では、心房の線維化も進んでいることが多いのです。

年に数回しか起きない発作性心房細動(PAF)では、心房の拡大が起きる事は、まずありまえん。

 

ところが、基本的に心房細動なのに、時々思い出したように洞調律に戻る患者さんって、けっこう存在するんです。

この患者さんは、ER搬入時にたまたま洞調律になっていました。

心電図モニターすると、翌日から心房細動になっていました。

 

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クリックすると、心電図が拡大します



また、病歴を詳細に確認すると、麻痺レベルは軽度ですが脳塞栓症の既往があったようです。(抗凝固療法は、何故かありませんでした)

 

 

【説明出来ない心房拡大は、心房細動が隠れているカモ】

 

 

慢性心房細動で、心房が著明に大きくなっている別の症例(心エコー)を提示します。 

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クリックすると、拡大します

慢性心房細動でここまで心房が拡大してからでは、カテーテルアブレーションでの治癒も見込めません。どの段階で洞調律を目指すかも、現代的課題です。