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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-300:answer(3/3)

**いよいよ300症例目となりました。毎日200カウントを超える訪問を頂き、ここまで頑張ることができました。感謝です。** 


60才代女性です。ACS-LMTの血栓性閉塞で、血栓除去術を施行しました。

   経時的心電図変化を、提示します。


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クリックすると、ECGが拡大します。



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クリックすると、ECGが拡大します。

 発症前(X-4months)は、著明な左室高電位と中等度のST-T変化です。

  X day(ER)Xは、顕著なST-T変化を示します。aVRのST上昇は、特に大きく LMT 病変が示唆されます。その他のST低下も(ヤバイ)。non-STEMIとか、考えないように。ST上昇の誘導があるのですから。

 X+1 dayで、QRS波高が低下。IABPのサポート下で、心不全状態でした。心筋ダメージとうっ血による伝導性低下のダブル効果でしょうか。X+5dayでも続いております。

  X+14 dayは、循環器病棟での安定状況です。

  QRSの電位も戻りつつ有ります。ST低下の再出現です。

  ACSでは、12誘導心電図が経時的に大きく変化します。

  また、X dayの心電図が、(危ない心電図)の代表例であることを、感じ取って下さい。

 

( PCI翌日の再造影 LCA)

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 LCAのflowは改善し、spasmも無くなったようです。

( PCI翌日の再造影 RCA)

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RCA → LAD への側副血行路が、幾分残っています。何故でしょう?

 

X+16daysの心カテ所見です。

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クリックすると、拡大します。



  LAD,LCXともに、描出良好です。

  LMTも壁不正もありません。血栓像なし。

  やはり、血栓性閉塞だったようです。

  RCA → LAD への側副血行路がやはり認められます。


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  HCMで過剰収縮気味でしたが、LMT塞栓後は、ちょうど良いくらい(?)になったようです。


   経時的な心筋酵素の変動値です。


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  今回の学びを、以下の様にしました。

【 HCMのPafは、十分に気を付けよう 常に抗凝固療法を念頭に置く! 】

【 aVRのST上昇は、ACS心電図で必ずチェック! 】

【 あなたが異常に感じる感性を、大切に。それを発展させよう 】

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