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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-267:answer(2/2)

 本当に、心電図は高Ca血症の診断に役立たないのか?この症例では、再度の心電図記録を行いました。X+3dayです。 


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クリックすると、ECGが拡大します。

 どうでしょうか?

 なんとなく、QT時間が異なる(延長した)ことが、分かりそうですね。

 QT短縮の場合、ST部分が無くなる感じなんですね。

 この違いが分かりやすいのは、高Ca血症時(at ER)と、その改善時のHR60bpm前後と、頻脈で無く揃っていることなんです。今回、気付きました。

 高Ca血症で搬入される時は、脱水で交感神経は興奮し、けっこう頻脈です。心拍数で補正するQTc時間も、60bpmからずれるほど、当てにならなくなります。

 この症例は、血清Ca値=17.8mg/dLHR=54bpm

 

 と、QT短縮が分かりやすい条件が、ERで揃っていました。

 高Ca血症を心電図で疑うことがリーゾナブルだよね、と思える心電図に、やっと出会えました。(今まで、単に気付いていなかっただけかも、しれませんが。。)

 

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クリックすると、ECGが拡大します。

 

 なお、X+3dayの心電図は、血清Ca値が10.2mg/dL8.6mg/dLと変化した間の日に、記録されています。