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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-270:answer

   P波の欠如。RR間隔の絶対性不正。

   普通に、心房細動ですね。

   今回は、心房細動波 = f 波(fibrillation wave)に、着目してみましょう。

Ecg270112web

クリックすると、ECGが拡大します。

 

 

  •   P波 は見えません。RR間隔は、絶対性不正です。
  •   明らかなf 波(fibrillation wave)ないようです。

        →いや、あるよ !  f-waveが、と云われる方もいると思います。

 

   15年前の心電図です。

Ecg270x1512leadsecgafibweb

クリックすると、ECGが拡大します。

  f 波(fibrillation wave)が、少しハッキリしているようです。

   心房の動きが悪くなるほど、左心耳内血栓は生じやすくなるはずで、抗凝固療法は、必須となります。但し、心電図のf 波の形状で、血栓症の発生率を予測できる訳ではありません。念のため。

 拡大して、比較してみましょう。

 20XX年時では、20XX-15年時のf 波(fibrillation wave) は、明らかに低振幅となっています。


Ecg270v12web

クリックすると、ECGが拡大します。

 なお、この間に、心拡大も進んでおります。心房の拡大による効果です。

Ecg270web

クリックすると、拡大します。

 

 もう一枚、比較の心電図を提示します。20XX年-5yearsを添えました。

Ecg2705web

クリックすると、ECGが拡大します。

    心房細動の心電図診断では、

絶対条件:P波の欠如 と  RR間隔の絶対性不正

十分条件: f 波(fibrillation wave)の存在

 となります。

(注:完全房室ブロックを伴ったAfib.は例外となります。念のため)

   f 波が、はっきり見えると、心房細動の診断は分かりやすいです。

  f 波がよく分からなくても、(絶対条件:P波の欠如 と  RR間隔の絶対性不正)が揃えば、心房細動として取り扱うべきです。

  自信がなかったら、循環器科へ丸投げして下さい。

   SVPC多発例や、基線のノイズの多い症例に、安易に抗凝固療法を始めてしまわないように、初期の心房細動診断は、丁寧にお願いします。



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