正解(心房細動でない)は、
Case-B
でした。
心房細動の必須条件は、
*P波の消失
*RR間隔の絶対性不整
十分条件は、
*心房細動波(F波)の存在です。
これが基本です。
けれどこの問題は、上記を金科玉条とすると、落とし穴に落ちちゃいます。
Case-A
典型的な心房細動の心電図です。
粗い細動波です。
3~6拍目の間は、F波が揃った形に見えるかもしれません。
でも、それ以外ではF波の形は不揃いです。
F波の判断は、慌てない。
P波ありません。
PATと間違えないでね。
RR間隔は、絶対性不整です。
Case-B
RR間隔のふらつき方は、心房細動かと思っちゃいます。
でも、よく見るとP波はしっかりあるんです。。
SVPCが複数以上あると、RR間隔は規則性なかなか分かりません。
当然、F波ありません。
12誘導心電図で、P波が分かりやすいのは、II誘導かV1です。
でも、他の誘導の方が分かりやすい事が、よくあります。
P波が無いことは、全誘導で確認してください。
なお、いわゆるcoronary sinus rhythmのようで、P波がaVFで陰性+aVRで陽性となっております。
Case-C
頻脈性心房細動では、RR間隔の不整が分かりにくくなります。
F波が偶然P波に見えることがあります。しかし、その形・PR間隔(と思える)に一定性がありません。
*P波なし。
*RR間隔は絶対性不整です。
*V1のT波は形がデコボコですが、F波が乗っかっているためです。
Case-D
心房細動患者が整脈になった時は、洞調律以外に、完全房室ブロックを念頭に置いてください。
この症例は、
*徐脈です。
*RR間隔は整です。
*P波ありません。
*その気で見ると、基線は揺らいでF波を示唆します。
なお、Case-Bが明らかに洞調律なので、これは選択できません。
心房細動の心電図は、さっと見ずに、よく読み込んで下さい。
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