#blog-title{font-size:150%; }

Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-328:answer

Questionの再録

 

これは典型的な(      A      )症候群の心電図である。

責任病変は、#(     B     )が推定される。

分岐部病変でなければ、比較的容易いPCIで改善される。

 

 

◎ Aは、Wellens (症候群)

◎ Bは、6 or  7。 前下行枝 #(segment) 6 or 7

 

 のはずでした。

 

Wellens syndromeとは、 

f:id:heart2019:20190724134707j:plain

クリックすると、拡大します

というものです。なお、T波の陰転はV1-6まで及ぶこともあります。

 

ECG-211で以前紹介した心電図変化を提示します。

f:id:heart2019:20190724134927j:plain

クリックすると、心電図が拡大します

この症例は、左前下行枝(#6)の完全閉塞でした。

胸痛間欠時に、V2-4で二相性のT波を呈しています。

 

 

 

今回の症例(ECG-328)のPCI前後の心電図です。 

f:id:heart2019:20190724135049j:plain

クリックすると、心電図が拡大します

 

PCI前(ERにて)の心電図では、V2-3で二相性Tを、V4-6で陰性T波を呈しています。

PCI後は、陰性T波はほぼ消失し flat となっています。

 

では、どんな冠動脈病変だったんでしょうか?

緊急のCAG/PCIです。 

 

f:id:heart2019:20190724135129j:plain

クリックすると、拡大します

RCA(右冠動脈)は、intactでした。

どうも、LMT(左冠動脈主幹部)から、LAD(左前下行枝)の起始部が、なんか怪しいです。

 

 

 

f:id:heart2019:20190724135223j:plain

クリックすると、拡大します

 

Spider viewで、LAD #6:just proximalの有意狭窄が確認されます。

Spider viewの解説はこちら

 

医療と看護と透析で時々CE さんのwebsiteより

https://tousekice.com/2017/09/07/心臓カテーテルでの冠動脈の見え方について%E3%80%80撮/

 

一番最後にSpider viewの解説あります。

心カテ時の冠動脈の見方が、わかりやすく解説されています。

 

 

 

 

IVUSでは、LMT-#6に連続性の有意狭窄を認めました。

PCI(stent)をLMT-#6にかけて施行しております。

f:id:heart2019:20190724135329j:plain

クリックすると、拡大します

f:id:heart2019:20190724135355j:plain

クリックすると、拡大します



今回は、Wellens syndromeの波形でLMT病変あり!を経験しましたので、シェアさせて頂きます。

 

 

【 Wellens syndrome波形では、緊急/準緊急カテを考慮する 】

 

ACS心電図から、冠動脈病変の推定が外れること普通にアリ 】