50才代の男性です。
B,C肝炎はありません。お酒かもしれません。
レントゲンでは、腹部が真っ白です。慣れていると、腹水パンパンなんだね、と分かります。
CTの冠状断で、腹水多量で肝萎縮が分かります。
CTの三断面で見ると、心臓が横隔膜の座布団(ざぶとん)の中にめり込んでいるのが、分かります。
お座部の上の福助人形のイメージです。
腹水パンパンで、横隔膜が挙上しています。胸水はなし。
腹水を除去し、安静を保ち、7kg体重が減った10日後に心電図を再度記録しました。
*搬入時(Xday)の心電図は、low voltage傾向です。
→肢誘導は全て5.0mm以下。
→肢誘導はV3,4は10mmちょっとあります。
→特にV5,6の低電位が著明です。
*腹水を抜き安静で利尿が増えて、体重が7kg減った10日後の心電図では、胸部誘導のQRS波高がやや高くなっています。
さて今回、心電図は(肝硬変・著明腹水貯留の診断に役立っていたのか?
鳥獣戯画のカエルみたいに膨らんだお腹を見れば、腹水が溜まっていることは、容易の想像出来ます。全身浮腫は見れば分かるし、それが診断です。
【 原因が分かっていると、low voltageが納得出来る 】
Low voltageから鑑別疾患を考える、では無く。
病態から、low voltageを納得する。
で、良いんだと思います。