#心電図検定試験 LPHB-02
何の変哲も無い心電図に見えますね。
ボーとしていたら、WNLで済ませそうです。。
I誘導に着目しましょう。
かなりの右軸偏位です。まず、ここに注目です。
では、右軸偏位の鑑別から、(1年目さん)に教育開始です!いくつ思いついてくれるかな?
WNL : within normal limit
#心電図検定試験 LPHB-03
右軸偏位の鑑別です。
a.) CRBBB(完全右脚ブロック)
b.) COPD(肺性心のパターン)
c.) 肺高血圧症(先天性心疾患・原発性肺高血圧症etc.)
d.) 急性/慢性の肺塞栓症(出た~!!)
e.) LPHB or LPFB
f.) 陳旧性後側壁梗塞
g.) 左右上肢電極付け間違い
h.) normal variant(やせ型の立位心 etc.)
i.) その他(MS,軽症のASD)
#心電図検定試験 LPHB-04
a.) CRBBB ×
QRS幅が0.12秒以上じゃない。
V1が、MやΛの形していない。
V6にwideなS波が無い。
なお、I誘導でR=Sまでの軸偏位は、CRBBBで説明されます。
#心電図検定試験 LPHB-05
右軸偏位の鑑別
b.) COPD(肺性心のパターン) ±
COPDでは、横隔膜が下がります→心臓が立位心(drop heart)となります。電気軸が下を向きます。
肺性P認める事あり。
右心負荷強いと、V1-4のST低下が出現します。
これらが全てありませんが、右軸偏位以外は特に認めないCOPDもありますから。
(±:たぶん違うけど、否定はできない)
#心電図検定試験 LPHB-06
右軸偏位の鑑別です。
c.)肺高血圧症(先天性心疾患・原発性肺高血圧症etc.) ×
明瞭な右軸偏位を示すならば、RVH所見がきっと出現します。
*V1-3の高いR波やstrain型のST低下。
*移行帯の時計方向回転。
*がっつりした肺性P波。
この全てがありません。検定試験問題なら、バツ。
#心電図検定試験 LPHB-07
右軸偏位の鑑別
d.) 急性/慢性の肺塞栓症(出た~!!) ±
1S,Q3,T3が揃わないからと云って、肺塞栓は否定出来ません。
もし前回無かった右軸偏位出現だと、十分考慮すべきです。
右軸偏位の鑑別です。
e.) LPHB or LPFB
この説明は、一番最後にしましょう。
いきなりこんなの教えられたら、心電図嫌いを作ってしまいます。
LPHB:left posterior hemiblock
LPFB:left posterior fascicular block
CRBBBを伴わないLPHBは、レアものです。
#心電図検定試験 LPHB-09
右軸偏位の鑑別
f.) 陳旧性後側壁梗塞 ×
亜急性期の広範囲前壁梗塞(=前壁中隔+側壁梗塞)の心電図と比較します。
肢誘導だけみたら、肺塞栓も疑ってしまいそう。
*右軸偏位では、R<S波です。
*梗塞では、Q/QS波による右軸偏位です。
Q波とS波を、最初はごっちゃにしてしまう。。
#心電図検定試験 LPHB-10
右軸偏位の鑑別
g.) 左右上肢電極付け間違い ×
最初に鑑別するポイントです。
何故だか間違いの殆どは、左右上肢の付け間違いです。aVRでrSパターンで、陰性P波・T波ならば、電極装着は正常なはずです。
#心電図検定試験 LPHB-11
右軸偏位の鑑別
h.) normal variant
病院に入職時の心電図/胸部レントゲンの判定していると、ほっそりした滴状心の方は、I 誘導が小さくr=sになっています。aVR=aVLが多い。
これは相手を見れば分かりますが、検定試験では(正常亜型として軽度の右軸偏位あり得る)と覚える。
#心電図検定試験 LPHB-12
右軸偏位の鑑別
i.) その他
Mitral Stenosis & (軽症の)ASD
「左室にストレスの無くて、右心系に負担が掛かる似たような病態なんや。これを心電図で間違えるのは、よくわかっとる証拠やで。」
「I 誘導で、R=Sとなって電位が低いんや。Lead-I-signと云うんやで。」
故 吉川純一先生が、月数回のレジデントカンファで教えてくださいました。
その2は、やっとLPHBの説明と理解です。