逆たこつぼの症例でした。
正直に言うと、mid-vetricular型か、basal型か、迷っております。ミックス型でしょうか?無理に分けられなくても、良いんでしょう・・・。
Inverted Takotsubo cardiomyopathyの心電図変化は、
*II,III,aVFのST低下と、aVR・aVLのST上昇とされています。
(注:感度・特異度が高いわけではないので、注意ですよ。気付きです。)
http://www.jcc.gr.jp/journal/backnumber/bk_jjc/pdf/J052-7.pdf
この症例では、
*I,III,aVFのST低下
*aVR・aVLのST上昇
*胸部誘導でのJパターンのST低下があります。
通常のたこつぼ心筋症=apical ballooning型は、分かりやすい特徴があります。
*急性期のACS様のST上昇。
*亜急性期でのV2-6、II,III,aVFでの陰性T波の出現。QT延長しやすい。
*V1でST上昇/T波の陰性化があると、(たこつぼ)は除外される。(←検定試験上は、この原則から外れないハズ。)
たこつぼ心筋症は、以下に形態的に分類されます。
Basal型は、Inverted takotsubo cardiomyopathyですね。
なお、focal(局所)型が有るようですが、今回は省略。よく分かんない(・_・?)。
この患者さんの心エコーです。
私の脳内のつぶやき(緑)です。
まず、LMT-ACSの除外だ!(本当は、LMT-ACSだと思っていました。。)
(心尖部四腔像)
[http://:title]
あれ???よく動いているじゃん。
心尖部はよく収縮している。
心基部の動きがなんか悪い。aVRのSTが上昇しても、LMT-ACSはちょっと考えられない。
(傍胸骨左室長軸像)
[http://:title]
やはり心基部の収縮性が悪い。中隔基部の菲薄化・輝度上昇なし。心サルコイドーシスじゃないよね。やっぱりたこつぼか?
初めて出会う逆たこつぼか!!
(左室短軸:乳頭筋レベル)
[http://:title]
このレベルでは、側壁方向の収縮性低下が顕著。特に高位側壁が。。
しかし、mid-ventricular のたこつぼ心筋症とは云えないよね。。
やっぱり、逆たこつぼでいいか。
(左室短軸:心基部レベル)
[http://:title]
前壁中隔の中隔部のみが、一生懸命動いてる。側壁・下壁はだるそう。
(←すいません、脳内つぶやきです。感覚表現で、ゴメン。)
ballooningはない。というか、急性障害で心基部バルーニングできないよね、たぶん。
などと考えている=数分ですが=と、
「準備できました!心カテ入ります。移動開始です。(先生、邪魔だからどいてよ)」となります。
たこつぼとACSを、ERで鑑別する手段は、心電図と心エコーです。トロポニン値はどっちでも上昇するし、症状での鑑別は無理!
心カテになります。
to be continued.
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