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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

コラム-117:ACS心電変化とその局在部位 (#心電図検定試験 明日のために-001)

明日のために ACS 心電図

Twitterへの連投を求めております。

ACS心電図の考え方です。

 

ACSの心電図-001

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ACSの心電図-002

 

胸部誘導(V1-6)と、冠動脈・二心房/心室との三次元的関係図です。

 

V1が右室誘導と呼ばれ、

V6が左室自由壁の誘導である。

 

この関係を理解して下さいね。

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ACSの心電図-003

 

肢誘導は、カブレラ誘導に並べ直すと、その連続性が分かります。(検索:カブレラ誘導) 心尖部は、(-aVR)です。 教科書的正常心ならば、II誘導のR波が一番高くなります。 まず、正常波形を体得 して下さい。

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ACSの心電図-004

 

胸部誘導の正常心電図例。 V5が一番R波が高くなります。 (女性のV1の緩やかな陰性T波は、よくあります。) このイメージを持って下さい。

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ACSの心電図-005

 

D1(or high lateral)を含まない場合の前壁中隔のACS 右室誘導のV1,2ST上昇するのは、右室壁の下の分厚い心室中隔の虚血のために、反応しちゃうんですよね。 V6で、ST-T変化が出にくいこと も注目です。

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ACSの心電図-006

 

広範囲前壁梗塞 (#6 proximal)の閉塞で、D1を噛んでいる。

 

V1-5(or6)まで、ST-T変化が拡がります。

たぶん、I,aVLでも変化あり。この辺は、側壁にどれだけ分枝が拡がっているかで決まります。

 

右図は、LAO viewです。

赤い血管がLADで、左室の赤い部分が支配領域です。

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ACSの心電図-007

 

回旋枝のACSは、難しいし、分かんない(_?)ことも多い。

 

LCXの閉塞部位・流れ方で、変わります。

I,aVL,V5,6で全てST-T変化があれば、分かりやすい。

 

高位側壁・側壁の違いに、あんまり拘らないでね。

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ACSの心電図-008

 

高位側壁のACS心電図とは、I,aVL誘導のST-T変化があることです。

 

I誘導は、側壁全体を見ているので、ST-T変化します。

aVLは、左肩から心臓を見ている、ですよね。これが変化しないと、高位側壁病変と心電図上は呼べません。

#12 , D1またはhigh lateralの病変です。

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ACSの心電図-009

 

左室の高い所(頭側)ACSが起きると、aVLでのST上昇が発生します。D1でも、LCX(OM1)でもどちらでもあり。

 

なお、回旋枝領域は体表面から一番遠いので、12誘導心電図ではボンヤリすることが多いんです。

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ACSの心電図-010

 

さて、右冠動脈です。

 

# 14に分かれています。

# 4が、左室の後下壁を灌流しています、つまり。。

# 13は、# 4への導管に過ぎないのです!

 

と極論も出来ます。右室梗塞を除けばですが。

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ACSの心電図-011

 

# 4を見てみると、回旋枝の支配領域とかぶるんですね。

これは個人差があります。

いわゆる、(後壁をどっちが灌流するか)なんです。

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ACSの心電図-012

 

下後壁のACSは、12誘導心電図+心エコー(POCUS)で、責任冠動脈を推定します。

 

心電図だけでの鑑別は、ムリ!!  が私の立場です。

 

でも、私は(心電図検定試験)の出題者ではない。。

次の図は、傾向と対策です。

房室ブロックと明瞭なV4RST上昇は、さすがにRCA-ACSですね。

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ACSの心電図-013

 

ACS心電図の掟は、この二つだけです。

 

*隣り合う二つ以上の誘導でST-T変化を認める。

 (カブレラ誘導が必要な理由でもあります)

 

*ミラーイメージを生じる。

(なかったら、心外膜炎たこつぼを考えるかも!)

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ACSの心電図-014

 

一番有名なミラーイメージは、後壁のACSでの

ST上昇が、V1-3くらいでST低下として表されるもの。

 

もう一つは、下壁梗塞時のaVL(and I 誘導)でのST低下。

(II,III,aVFでのでのST上昇がイマイチな時に、aVLST低下があるとACSと判断するのが、循環器屋です)

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ACSの心電図-015

 

なお、ERの現場では、

 

RCALCXかなんて、どうでもいいから!とっととカテ室に運ばんかい!!!

 

となるのは、tokさんが仰有る如くです。

 

これで(心電図検定試験の模擬戦)のための事前講座は、終わりです。

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佐々木達哉先生との共著が、2020/1/23に発刊されました。

日本医事新報社からです。重版されました。

循環器版の(思考のレッスン)です。

村川裕二先生から、素敵な(推薦の辞)を頂きました。

まずは、立ち読みして下さい。私が援護射撃した佐々木ワールドが満開です。

 

https://www.amazon.co.jp/レジデントのための循環器教室%E3%80%88症例で学ぶ循環器診療のリアル〉-佐々木-達哉/dp/4784948759/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&keywords=佐々木達哉&qid=1577794530&sr=8-1

 

 

 

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