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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG−389:answer #心電図検定試験-Question-14 (1/2)

四択問題でした。

 

1:急性冠症候群

2:先天性QT延長症候群(type-2)

3:低カリウム血症

4:低カルシウム血症

 

正解は、3:低カリウム血症 です。 K=1.4mEq/Lでした。

 

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#心電図検定試験 Q-14 answer-01

 

1.急性冠症候群 が、なぜ×なのか。

 

この心電図のV1-4のST-T部分をよく見ると、(ふたこぶラクダ)になっています。陽性波が二重ですね。

 

後半の陽性波を次のQRSのP波と考えると、あまりの大きすぎ・幅広すぎです。

U波と考えると、しっくりきます。

但し、U波のバリエーションを沢山経験してないと、戸惑いますね。

 

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#心電図検定試験 Q-14 answer-02

 

LAD-ACSならば、STの開始点(j-ponit)からST上昇を示し陽性部分は二相性になりません。T波の頂点が、こんなに後方には来ない。

 

まあ、論より心エコーなんですけど。

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#心電図検定試験 Q-14 answer-03

 

LAD-ACSならば、STの開始点(j-ponit)からST上昇を示し陽性部分は二相性になりません。T波の頂点が、こんなに後方には来ない。

 

まあ、論より心エコーなんですけど。

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#心電図検定試験 Q-14 answer-04

 

2.先天性QT延長症候群(type-2) が、なぜ×なのか。

 

 

ここは、(type-2)が、引っ掛けポイントです(←威張るな!)

 

type-1は、びよ~んとT波が(幅広く)拡がります。

type-3は、平坦なST部分が続いた後に、思い出したように陽性T波が出現します。

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#心電図検定試験 Q-14 answer-05

 

type-2は、平定化したT波とU波が、ごにょごにょ、しております。

ぱっとしないんですね。

この症例のように、劇的U波にはなりません。

 

(なお、type分類にV5,6を使うと、どれも同じに見えるので、ダメ!)

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#心電図検定試験 Q-14 answer-06

 

ここまでは、cLQTSの平和な展開です。

試験問題としては、典型例を理解すればいい。

 

でも、実臨床は柔じゃないようです。

この論文のtype-1,2,3のバリエーション。測定法の技術的問題点を見て下さいまし。私は、降参します(-_-)。

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jse1981/28/Suppl2/28_Suppl2_5/_pdf

 

 

(次に続きます)