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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

ECG-381: answer VT(1/3) はどれだ? (#心電図検定試験 Question-6)

*正解は、

 

Case-B).  AVNRT with CLBBB

 

でした。

 

VTは、12誘導心電図だけでは分からなくて当たり前。

典型例しか #心電図検定試験 は出ない!!と割り切りましょう。

 

各々のケースを見ていきます。

 

 

心電図検定試験  Q-6   answer-02

CASE-A: ベラパミル感受性VT

 

WQRSTで、(RBBBパターン+左軸変異)です。

 

このパターンは、VTです。左脚後枝領域のVT.

さらに、(taller left rabbit ear)  signがあります。

加えるに、(V6でr<<S)となっています。

 

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クリックすると、心電図が拡大します

 

 

 

心電図検定試験  Q-6   answer-03

 

CASE-B:AVNRT with CLBBB

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*波形に異常感がありません。

*CLBBBの頻脈と考えると、すっきりします。

*Brugada criteriaに、全く合致しません。

*P波ありません。 AVNRTを示唆します。

*洞調律時の波形と同じなら、VTは否定されます。

*2:1伝導AFLは、最後まで残りそう。

 

 

 

心電図検定試験  Q-6   answer-04

CASE-C:VT    RBBB pattern  +   LAD

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*case-Aと同様のVTです。

*left rabbit ear sign は、ありません。

*これがあるとVTですが、無くてもVT否定とはなりません。

*V6のR<Sではなく、r<<Sがポイントです。

 

 

 

心電図検定試験  Q-6   answer-05

 

CASE-D:VT     positive concordance  +   RAD

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*V1-6まで、ほぼR波。

*脚ブロックでこのような波形はできません。

*心基部から放射上に拡がるVT

*RADは、左室側壁からのVTを示唆。

 

 

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*DC後の心電図は、洞調律でnarrow QRSです。

*波形は大きく変わりました。

*I,aVL誘導に大きなQ波。胸部誘導はQSパターンに近い。

*かなり広範な前壁梗塞後ですね。

*old-MIのWQRST = VTです。

 

 

VT診断時は、どこにoriginがあるかで、波形が決まります。右軸偏位・左軸変異どっちもありです。決め手にはなりにくい。

 

但し、(北西軸)=(IとaVF両方がrSパターンのWQRST)は、VTです。脚ブロックでこんな電気軸は示せません。

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#心電図検定試験  Q-6   answer-07

 

*PSVTと間違う心室中隔由来のQRSが狭めのVT

*実は、WPWのantidromic AVRTでVTに見えた

 

*PSVT中に、変行伝導でVTに見えた

http://mochida.co.jp/dis/guidance/electrocardiogram/a53.html

 

など、あるんですけど、#心電図検定試験 に出したら反則です。

 

典型的な波形を、復習しましょう。