ECG-139:91才女性。めまいと気分不良でERヘ搬入された症例のお話しです。
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まず、発症前の心電図(Question-1)を、読んでみます。
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◎ 洞調律、HR=45bpm.
◎ 完全房室ブロック(としか云えない)
◎ 完全右脚ブロック
◎ P-rateは、120bpmくらい。
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但し、この症例は、P波のrateは、120/min前後と速くなっています。交感神経のやや緊張=もっと心拍出量を欲している、が推測されます。
本来は、永久ペースメーカーを植え込みすべきでしょう。
本人とご家族が望まれず、経過観察となっていました。
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次に、めまい/気分不良で搬入された(Question-2の心電図)を、読みます。
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◎ 心房粗動となっている。
◎ 完全右脚ブロックは、変化なし。
◎ 完全房室ブロックに、変化はない(たぶん)。
◎ 心室rateは、相変わらず徐脈のままだから。
◎ ST-elevation(V2-4)を、明らかに認める。
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鉄則ですね。
合わせて、広範囲に前壁中隔の壁運動が、低下していました。
緊急冠動脈造影が、選択されました。
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結果ですが、冠動脈は intact(正常) でした。
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CPKの上昇は、わずかに394(max.)U/Lでした。
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2週間ほどで、安定しつつあります。
完全房室ブロックによる徐脈と心房粗動は、続いています。
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発症3日目の心電図です。