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Cardio2012のECGブログ-2019改

=上級医がやっている危ない心電図の見分け方= ECGにまつわる基本的な諸問題:総合診療部研修医と、ECG苦手医師のためのサイトです。

【コラム-049】電気軸について、あなたが知っておいて良いこと(その4)

実際に、ベッドサイドや外来で、電気軸をどのように読んでいるのでしょうか?

 なんとなく、やっているのが実情ですが、ちょっと言語化してみます。
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 (目)だけで、判定します。何も計りません。
 言葉で、書き連ねてみると、

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  少し、説明を書き加えてみます。

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 実践してみないと、わかりませんよね。

 では、実践してみましょう。

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 前回取りあえげた症例で、まず練習です。

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 電気軸が、0〜+90度以内なのか、それ以外かを、Dubin先生の方法でまずチェックしてみましょう。

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 I,aVF誘導から、マイナス角度(0〜-90度)の範囲であることが、わかりましたね。

 次に、だいたい何処ら辺に電気軸があるのかを、推定します。

 単純なお話しで、一番R波の波高が高い肢誘導の近くが、電気軸です。

049axis006

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 一番高いR波を持つ肢誘導の±30以内のはずです。(大きく見積もって)

 また、すでにマイナス角度であることが、分かっています。

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 次にR波の大きな誘導を探しましょう。

 当然ですが、aVLです。

 よく見ると、0.1mVほどR波が、I 誘導より低くなっています。

 つまり、電気軸は、ちょっとだけI 誘導に近いんです。

 となると、真ん中の-15度より少しI 誘導より⇒-10度の付近となります。

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 いちいち、上記のような思考を、ゆっくりと辿ってはいません。

 えいや!! って感じで瞬時に理解しています。

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電気軸は、±15度くらいで分かれば、実臨床では困りません。

 精密な判定は、心電計に任せてしまいましょう。

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 一例だけでは、心配ですか?

 じゃ、次に演習問題を、組んでみますね。

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まだまだ、終わらない電気軸のお話し。

 こんな予定では、なかったのですが(-_-;*)。

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 ちなみに、この症例は、ECG-081と同じ症例です。

 HOCMで、当然著明なLVHです。しかも、胸部レントゲンでわかるように、横位心です。なのに、ほんの少し左軸偏位傾向なだけです。

LADと左室肥大は、あんまり相関しないのです。

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